帰宅
カチッ
千香『・・・感想は?』
葉『・・・。』
千香『き、きっとエイプリルフールの為のネタだよ!!』
葉『聞かなきゃ・・・良かったな。ははは・・・あー、ダメだ。頭がこんがらがってる(笑)』
千香『葉・・・。』
葉『ふー・・・やべえ・・・目が痛い。エイプリルフールのネタなのにな(笑)』
葉は涙を堪えるように笑って見せた。
千香『昨日はガツガツいってごめん・・・卒業式は綾乃と・・・。』
葉『はあ・・・卒業式は欠席しようかな。そんな気分じゃない。』
葉の卒業式の日にちをサムは知ってるのかな・・・明日、帰れるから確認はいいか。
私『ということで、色々あって、高校で同級生だった佐村さんと結婚して、佐村色葉になりました。めでたし、めでたし。』
島田『本当にすまなかった・・・。』
すまなかったと謝られても、母さんや私の人生は戻ってこない。 そういえば、ここはどこなんだろう。
スマホで地図を確認すると・・・。
私『えっ・・・ここって・・・。』
島田『実家の跡地に建ったアパートだ・・・家を手放さなければ生活出来なくなったんだな・・・。』
私『なんで、わざわざこんな田舎に?』
島田『もう、定年だから日本に帰って来ることもなくなる。だから・・・。』
私『それなら、私の夫に顔を見せて。堂々と、私が色葉の父です、どうしようもない娘ですが、よろしくお願いします・・・って。』
島田『・・・。』
私『末長く守ってやってください、くらい言ってよ!!』
島田『・・・お前はそれでいいのか。』
私『それでいいのかって・・・そっちこそ、それでいいの!?父親の役割を果たしてよ!!』
島田『・・・人見くんの代わりなんだろ?』
私『代わり・・・いや・・・サムは私をまともにしてくれた人だから・・・。』
島田『その土台を作ったのは人見くんだったはずだ。今の結婚は後悔してるんじゃないか。』
私『・・・あなたに言われたくない。』
翌日、サムに連絡を取り、実家前に車で迎えに来てもらうことになった。私がいない間は美知が代わりをしてくれていたらしい。有休が今日までだったから、入れ替わりだって。
私『ごめんね。急だったから。』
美知『ううん。わかってるよ。お姉ちゃんも休みたかったんでしょ(笑)苗ちゃん、元気ないね?』
苗『・・・。』
私『何でもないよ。』
私たちはサムの車に乗り込んだ。葉は迎えに来てくれなかったみたい。明日は卒業式だもんね。友達と遊んでるかな。
ガチャ
私『ふー・・・帰ってきた。』
佐村『明日は九州だから。』
私『はいはい。ロケ?ライブ?』
佐村『堀たちとイカを食いに行くんだよ。』
私『なんだ・・・。』
明日は葉の卒業式なんだけどなあ・・・堀さんと約束してるなら、断る訳にはいかないだろうし・・・小学校のときに引き続き卒業式を撮るのは私か・・・。
苗『パパ・・・怖かった・・・。』
佐村『ん、なんか言ったか?』
私『苗。もう終わったでしょ。』
苗『うう・・・怖かった・・・。』
苗はサムの脚にしがみ付いた。
佐村『お、おい・・・怖かった・・・?』
私『こら、苗。』
佐村『怖かったって言ったよな?どういうことだよ。』
私『何でもないよ。苗、やめなさいって。』
苗『だって、怖かったんだもん!!』
サムの顔色が変わった。
佐村『お前、何か隠してるのか。』
私『隠してないよ。美知の料理はどうだった?すぐに料理つくるから待ってて。』
佐村『・・・。』
会話のない夕食。サムは怒ってる。苗は怯えてる。私は隠したくて隠してるわけじゃないから、居心地が悪い。
そんなことよりも、葉が呼んでも来ないのが心配。明日は卒業式なのに・・・。




