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モザイク5〜MOSAIC PART 5  作者: AKI
失踪編
21/61

いい稼ぎ方

1987年、日本中が好景気で浮かれていた。そんな時代に私は高校を卒業して、都会に向かったんだ。最初は低家賃のアパートにそれぞれ住むことになった。佐村と麻里の二人、鈴木さんは一人。私はお金が貯まるまで人見と同居。


ガチャ・・・


私『うわ・・・実家と同等・・・。』


人見『来年にはもっといいところにお互い住めるだろう。俺、何のバイトやろうかな。』


私『人見は適応能力が高いからなんでも出来るよ。問題は私。わざわざ都会に出てきたのにレジ打ちしてもね。みんなと違って夢もないし。』


ペラ・・・ペラ・・・


人見『夢なんて俺も持ってないぞ(笑)就職活動しなくてラッキーと思ったからメンバーに加わってるだけだし。』


ペラ・・・ペラ・・・


私『それ佐村が聞いたら怒るよ(笑)』


ペラ・・・ペラ・・・


人見『殴られるよ(笑)』


ペラ・・・ペラ・・・


私『いいバイトないね。』


ペラ・・・ペラ・・・


人見『俺は日雇いで十分だけど、そっちはバイトで保つか?』


私『多分、男と女で賃金違うよね。体力の問題もあるし、バイトだけじゃ難しいかな。』


人見『引越しのバイトも厳しいもんな。あれ、美味しいぞ。簡単に儲かる(笑)』


私『そういえば麻里はどうするの?』


人見『佐村と麻里は曲作りと宣伝、広報。俺と鈴木さんが資金集め。・・・作詞家になれば?』


私『佐村の元でタダ働きでしょ。私は私で街に出て働き場所を探すよ。』


後日、その言葉通り街に出てみた。でも、恥ずかしい・・・バイトよりも服を探さなきゃ。髪も化粧も田舎娘・・・。


ガチャ


人見『遅かったな・・・!?』


私『似合う?』


人見『似合わない・・・かな(笑)』


私『えー。』


人見『バイト探してくるんじゃなかったのか?』


私『街を歩いてると自分の出で立ちが恥ずかしくなっちゃって。おかけで財布はすっからかん。』


人見『じゃあ、一万やるよ。』


私『サンキュー。生きるって楽勝だね。』


人見『行動すれば金が手に入る最高の時代だ。明日は何して稼ごうか。』


私『ディスコの警備員やってよ。私もディスコの経験してみたいし。』


人見『そんなタイプだったか?』


私『髪も整えたし、服も買ったし、メイクも練習しなくちゃならないから、勉強だよ。』


コンコン・・・ガチャ


佐村『明日、スタジオ借りて練習しよう。腕なまってるだろ。貯まった金。』


佐村は当然のように金を徴収しに来た。人見も当然のように金を渡した。そして私の姿を見て鼻で笑った。


佐村『馬鹿じゃねえの。なんだよ、そのケバい格好。ディスコか?ディスコか(笑)』


と、私を馬鹿にしながら出て行った。


人見『まあ、気にすんな。流行ってんだから、しょうがない。煙草吸う?』


私『・・・吸う。』


あの頃は私も普通に煙草を吸ってた。母さんの望むような大人になりたくなかったから。父さんがいたならそんなこと思わなかったと思う。


キラキラしたミラーボールが回ってる。ごきげんなナンバーがステップを踏ませる。でも、そんな世界に興味はない。人見には勉強したいって嘘をついたけど、本当の目的はアレを試してみたかったから。映画のようなワン・ナイト・ラブ、あわよくばマネー大作戦。


私『ここ、開いてる?』


男は頷いた。


立川『君は踊らないの?』


私『一人で飲んでるあなたが寂しそうだったから。私みたいなのを待ってたんでしょ?』


立川『まあね。』


最初はディスコで踊らずにお酒を飲んでる男をターゲットにした。そういう男の方が呑み込みが早いだろうと思ったからだ。


立川『田舎から出てきたんだ。』


私『刺激が欲しくて都会に来ちゃったの。』


立川『あーそういうこと。いくら?』


私『途中で囁いてあげる・・・。』


ガチャ


麻里『だからこの言葉の意味は!!えーっと!!うーんと!!』


佐村『キラキラやワクワクのどこに深い意味があるんだよ!!主人公は至る所で踊り過ぎだろ!!』


朝帰りすると佐村と麻里が揉めていた。鈴木さんもいる。


私『・・・。』


鈴木『気にするな。いつもの喧嘩だ。』


私『・・・うん。』


人見『白瀬、遅かったな(笑)何してた?』


私『踊ってた。曲が完成する度に、この部屋で喧嘩すんの?私、一人暮らしする。』


人見『生活費は?』


私『バッチリ。いい稼ぎ方・・・じゃなくて、いいバイト先を見つけたから、引越し手伝って。』


一人になった私は”いい稼ぎ方”を駆使しながら生きることになった。

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