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モザイク5〜MOSAIC PART 5  作者: AKI
失踪編
19/61

初めてのキス

美知『ZZZ...』


ガチャ・・・


佐村『ただいま・・・はあ・・・とんでもないことになったな・・・色葉が帰って来ないとキャバクラ出入り禁止かよ・・・ん?』


美知『うーむにゃむにゃ・・・。』


佐村『ソファで寝てるのか。もしかして、俺を待ってた・・・悪いことしたな・・・。』


佐村は美知を揺すった。


美知『うー・・・あ、佐村さん・・・携帯に連絡したんですけど・・・。』


佐村『ごめん、うるさいところにいたから聞こえなかったんだ。』


美知『メールも送ってますけど・・・。』


佐村『俺、頻繁に携帯見ないし。』


美知『もやもやしてたんですけど、やっぱりお姉ちゃんは出て行ったのかな・・・。』


美知はソファに寝転んだ。


佐村『風邪引くぞ。』


ガチャ・・・


葉『うわ・・・帰ってきた・・・お前は帰れよ。』


千香『何時だと思ってんの。そんなに私のこと嫌い?』


葉『何回言わせんだよ。嫌いとかそういう問題じゃなくて・・・触んなよ!!ったく清純さのかけらもないな!!』


千香『うう・・・また、そんなことを・・・。』


葉『あ・・・ち、違う・・・あの・・・その・・・。』


千香『清純派ってすぐ泣いちゃうから、面倒くさいでしょ(笑)』


葉『・・・わがままも面倒くさいんだけどな。つーか、眠たくないのか?』


千香『告白できた事で眠気なんて吹っ飛んでるの。卒業ギリギリで良かったー(笑)』


葉『こっちはOK出してないだろ・・・卒業式は綾乃に告白するからな。幼馴染みなんだ。結果はどうでもいい。思いを伝えられるだけでもいい。』


千香『あー、急に眠たくなってきた。もう寝よ。』


葉『・・・本当に勝手な奴だな。』


千香はブサイクでもないし、明るい性格が魅力的でもある。それは友達としては最高なのかも知れないけれど・・・。


チリリリリリリリ!!


カチッ


千香『葉、朝だよ。』


ゆっさ、ゆっさ


葉『なんだよ・・・って、もう朝か・・・なっ!?』


千香『・・・ん?』


寝起きの女の顔は何故、魅力的に見えるのだろう。綾乃が泊まったときもそうだった。そのときと違うのはお互いが向き合っているということ。


千香『スゴく近いね。もっと近づいていい?』


葉『返答を聞く前に近づいてるじゃん(笑)』


千香『あれあれ?なんだか、昨日と反応が違うよ(笑)』


千香がぐいぐい来た。


葉『・・・当たってんだけど。』


千香が距離を取ろうとした。


葉『あ、そのままでいいって言うか・・・その・・・ははは(笑)』


千香『私の胸のドキドキ・・・触って確かめてみたくない?』


葉『で、でも・・・卒業式で綾乃に振られないと・・・。』


千香『振られるよ。綾乃の好きな人のタイプ知ってる?ああ見えて、チャラい人に憧れてるんだって。周りにいないから。』


葉『それ、マジか・・・じゃあ・・・さ、触ろうかな・・・触っていいんだな?』


今の葉にとって、綾乃の好きなタイプがチャラい男だなんてことはどうでも良くなっていた。朝っぱらだというのに。


ゴクリ・・・そーっ・・・もみ。


葉『おっ・・・。』


もみ。


葉『おっ!!おっ!!』


千香『おっ、おっ・・・って(笑)』


葉『柔らかいな!!な!!』


ガチャ・・・


ガバッ


千香『(重いっ・・・。)』


美知『葉、朝ごはん出来てるよ。』


葉『う、うん。開けなくてもいいって、ノックでわかるから。痛っ!!』


千香『(重いってば!!)』


美知『どうしたの?』


葉『な、なんでもないよ。もうしばらくしたら、降りるから。』


美知『出来るだけ早くね。』


ガチャ・・・


葉『あっぶね・・・。』


千香『危ないのはこっちよ!!窒息しそうだった・・・げほっげほっ。にゃっ?』


もみもみ・・・もみ・・・もみもみもみ・・・もみもみ・・・もみ・・・もみもみ・・・もみっももみもみ・・・もももっももみもみ・・・もーみもみ。


千香『だぁーーーーっ!!』


葉『・・・な、なんだよ。』


千香『むず痒くなってきた。次はキスしよ。』


葉『キス・・・。』


千香『・・・。』


綾乃『・・・。』


葉『!?』


千香『・・・初めてのキスはやく。』


ガチャ・・・


千香『・・・はやくしてよ・・・目、開けるよ。』


パチッ


千香『・・・あれ、いない。』


ガチャ・・・


葉『ほら、朝飯持ってきたから食えよ。』


千香『初めてのキスは?』


葉『やっぱり、綾乃にキチンと振られてから・・・。』


千香『揉まれ損?私は揉まれ損?初体験かもとドキドキしていたこの胸を揉まれ損?』


葉『綾乃が・・・。』


千香『綾乃のことは忘れようよ。私が滑り込んだんだよ。気づいてくれないから勇気を出して私の方から告白したんだよ。一年半・・・。』


葉『俺はその何倍もの間、綾乃を思ってる。』


千香『もういい・・・振られたら引かなくちゃいけないんだもんね。私、葉に告白して振られたんだもんね。綾乃に葉が振られたあとに、私とくっついたら・・・矛盾しちゃうもん。』


葉『なあ、俺のどこに惚れたんだよ。正直、顔も普通だし、勉強も得意な方じゃないし、この前の喧嘩知ってるだろ?乱暴な面もあるし・・・。』


千香『・・・その、鈍感なところ。』


葉『はあ?近づきたくて、イジッてただけだって言ってたじゃないか。』


千香『と、とにかく全てが好きなの!!』


葉『俺の全てが・・・?』


千香『顔も私の好みだし!!性格も私の好みだし!!勉強が得意じゃないのは親近感を感じるし!!あの、喧嘩もちゃんと理由があって、我慢の末に殴っちゃったわけだし!!』


葉『・・・初めてのキスしようか。』


千香『(鈍感だから楽勝!!大好き!!)』

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