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モザイク5〜MOSAIC PART 5  作者: AKI
失踪編
15/61

わなわな

ガチャ・・・


佐村『はあ・・・。』


美知『まだ警察は動いてくれないんでしたっけ・・・。』


美知は当たり前のように、するするベッドの中に入った。


佐村『え、そこまで、代わりをしてくれんの?』


美知『はい・・・?』


佐村『い、いや、なんでもない。正直に言うと色葉と夜の生活が停滞しててさ・・・やっぱり・・・なんでもない・・・。』


美知『・・・。』


佐村『ごめん・・・変な話しちゃって。怒ってる・・・?』


美知『びっくりしてる・・・結婚したら、ずっと・・・その・・・そういうことをしなければならないんですか・・・?』


佐村『うーん・・・。』


美知『うーん・・・ですか。お姉ちゃんは佐村さんと子供との板挟みだったのかな・・・。』


佐村『俺に愛想を尽かして、色葉が出て行ったと思ってる側・・・?』


美知『どうだろう・・・まだ、もやもやしてます。当然、苗も大事だけど、葉を手放すかなって・・・止むを得ず、一人おろしたから、佐村さんとの間に生まれてきた子供はその子の分まで精一杯育てるんだって・・・言ってました。』


佐村『そんなこと言ってたのか・・・。』


美知『今のお姉ちゃんは子供が一番だから・・・夜の生活が疎かになるのもしょうがないのかも・・・。』


佐村『そっか・・・ところで欲求不満気味の俺の横で寝ても大丈夫?』


美知『佐村さんを信じてます。おやすみなさい。』


佐村『はあ・・・そりゃそうだよな・・・。おやすみ。』


ピンク映画みたいな展開を期待していたマジで欲求不満の佐村は、しっかりした妹に軽くあしらわれた。信じてますなんて言われたら・・・男は聖人になるしかない。


苗『ママ・・・眠たい。』


私『島田さん。今、何時くらいですか?』


島田『もう、深夜を回っています。』


私『島田さんは私たちに危害を加えるつもりはないんですよね・・・きっと、夫と息子が心配しているはずです。連絡だけ取らせてください。』


島田『・・・しっかりし過ぎだ。』


私『えっ・・・。』


島田はそう吐き捨てるようにして部屋から出て行った。連絡取れないとマズイ・・・サムの仕事と葉の学業に支障が出てたらどうしよう・・・そういえば、卒業式・・・。


葉『なんで怒ってたんだよ。』


千香『なんで朝っぱらから、電話かけてきてんの。まだ、眠たいんだけど。』


葉『学校で気まずかったら嫌だろ。』


千香『気まずいのが嫌なら朝っぱらから、ウザい電話をかけないこと。あー思い出した。なんで綾乃と仲がいいの?』


葉『なんでって・・・お前には関係ないし、幼馴染みだから・・・その・・・ずっと一緒だったから・・・なんて言うのかな・・・。』


千香『好きなんでしょ。』


葉『・・・。』


千香『好きなら好きって男らしく言えばいいじゃない。』


葉『・・・その不機嫌な感じが引っかかるって言ってるだろ。好きなら好きって言えるなら・・・。』


千香『鈍感を超えたバカ!!』


ブチッ!!


葉『・・・俺、鈍感でバカなのか。』


葉はカセットテープを手に取り鞄に入れた。


葉『古いウォークマン、物置スタジオにあったかな・・・いや、あるはずだ。迷うから鈍感で馬鹿って言われるんだ。』


スタジオの扉を開けようとしたら呼び止められた。


美知『どうしたの、学校でしょ?』


葉『あ、おばさん・・・ちょっと中に忘れ物してて。』


美知『そう・・・おばさん、午後まで帰って来ないからね。』


葉『俺は一人で大丈夫だよ。(ん・・・午後まで帰って来ない・・・?)』


美知『忘れ物は?』


葉『帰ってきたら探す。ちょっと早いけど、もう行くから。』


美知『いってらっしゃい。気をつけてね。』


ガチャ


美知『本当に気をつけてねー。』


葉『はーい。いってきまーす。・・・そっか、俺も危ないんだな。警察の保護くらいあってもいいんじゃないか。』


行方不明になってから4日が経つけれど、新しい情報はまだない。警察がちゃんと動いてるのかさえもわからない。


キーンコーンカーンコーン


葉『綾乃。』


綾乃『・・・。』


綾乃は呼びかける葉を通り過ぎて行った


葉『あ・・・おい。』


綾乃『何よ。』


葉『なんで、お前まで機嫌が悪いんだよ。』


綾乃『勘違いされるから、近寄らないで。』


葉『勘違いって・・・カセットテープを聞きたくないか。』


綾乃『餌で釣る気?最低。千香と聞けば。』


どうなってるんだ・・・。


葉『千香。』


千香『バイバーイ。』


葉『無視すんなよ。』


千香『肩を掴まないでよ。』


葉『お前、綾乃に何か言ったか・・・?』


千香『さあ。怒ってた?(笑)』


葉『なんて言ったんだよ・・・。』


千香『・・・さあ。』


千香は教室から出て行った。葉はそれを追いかける。


千香『追いかけて来ないでよ、鈍感!!』


葉『お前、綾乃に男らしく言えって言ったじゃないか!!』


千香『男らしく言って振られたんでしょ!!どうせ、高校進学で綾乃と別れるんだから、落ち込まないで!!』


葉『罠を仕掛けやがったな!!』


綾乃は葉とは違う高校に進学する。一段上の学校だ。千香は葉と同じ高校に進学する。


千香『ははは、わなわな(笑)』

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