わからない
島田が資料をたくさん持ってきた。
島田『お父様のお名前は?』
私『取材・・・始めるんですか・・・。』
島田『三日経って、やっと違和感に気づいて来ましたよね。』
私『ここが病院じゃないってことですよね。島田さんしか病室に来ないし。お金が欲しいんですか?』
島田『肝が据わってらっしゃる。さすが専業主婦。』
私『あの・・・専業主婦という肩書きをいちいち使わないでくれますか。働いてるお母さんでも肝が据わっている人は大勢います。』
島田『なるほど。地の底を味わいましたからね。これを見ても動揺しませんか。』
島田は扉を少し開けて誰かを呼んでる・・・!?
苗『ぁぁ!!ぁぁ!!』
私『苗・・・!?』
苗は口を閉じられていた。多分、ママ!!ママ!!と叫んでる。
島田『動揺しました?』
私はベットを降りて苗に駆け寄った。
島田『自宅で取材に応じてくれたら、こんなことにはならなかったものを。』
私『どいて!!苗に触らないで!!』
島田『触ってはいませんよ。縄を掴んでいるだけです。きつく締めれば首輪が締まります。』
苗『ぅぅ!!ぅぅ!!』
私『・・・。』
島田は扉の取っ手に縄を潜らせた。苗が今にも泣き出しそうな目でこっちを見てる。
私『何が目的・・・?』
島田『あなたの半生。お金なんかいらない。お前の・・・あなたの半生を知ることが出来れば・・・。』
私『・・・そろそろ、紳士口調疲れてきたんじゃないですか。』
島田『・・・。』
葉とサムの二人きりはさすがにキツいということで美知が有給休暇をとって、私の代わりをしていた。
アナウンサー『人気ミュージシャン佐村義一さんの・・・。』
ブチッ
美知『全然、新しい情報が出てこないですね。』
佐村『ワイドショーでは、俺のせいみたいになってる・・・。』
葉『マジで父さんのせいじゃないの?』
佐村『お前までワイドショーに洗脳されてどうする。あー頭が痛い・・・。』
美知『もしも愛想を尽かして出て行ったのなら、私に連絡が来るはずですもんね。』
葉『そういえば、おばさんは結婚しないの?』
佐村『おい!!セクハラなんだぞ、それ!!』
美知『ははは、大丈夫ですよ。私はチャンスを逃しちゃった・・・というか、結婚に夢を見ていないから・・・あ、佐村さん。すいません。』
佐村『なんで、謝るんだよ(笑)』
葉『ごちそうさま。』
おばさんが母さんの代わりをしてくれるって
義母・・・いい響きじゃん
いや、義母じゃないでしょwww
代理母?
それはもっと遠いwww
葉は卒業式どうするの?
わからない
出席しないってこと?
わかんねぇって
わかんないじゃダメでしょ
母さんもだけど、妹もいなくなってんだぞ
そうだけど・・・はっきりしないと・・・
あのさ・・・最近、二人だけで盛り上がるパターン多くない?
俺もなんとなく同意。嫉妬してんの?
嫉妬とかじゃない
じゃあ、なに
勝手に話を進めんなよ
綾乃が全然喋んなくなった
喋るよ、私
釈明してよ
釈明?
おい、釈明ってwww
葉も嘘つかないでよ
はあ?
もういい
あ、落ちた
私も落ちようかな
綾乃も?
なんだよ、あいつら。意味わかんねwww
葉『・・・俺もわかんね。』