勘違い
葉『んん・・・!?』
綾乃『ZZZ...』
ゴクリ
葉が目覚めると横で綾乃がすやすや寝ていた後ろ向きで寝ていた。枕を抱いて、スカートから白い脚が見えてる。葉は綾乃を少し揺すった。起きない・・・チャンス・・・!?
ゴロン
葉『あーひやひやする・・・。』
寝返りをうった綾乃と目が合った。葉も覚悟を決め、寝返りを装い綾乃を包み込もうとした瞬間・・・綾乃が起きた。
綾乃『んん・・・あれ、どうしたの?』
葉『い、いや・・・別に。』
葉はわざとらしく欠伸をした。それがうつり綾乃も欠伸をした。
綾乃『学校どうする?』
葉『休もうか。母さんたち、まだ帰って来ないみたいだし。』
綾乃は嬉しそうに頷いた・・・ように見えた。
葉『そっちの親は?』
綾乃『帰ってくるのは今日の夕方だもん。私シャワー浴びようかな。』
葉『えっ!?』
綾乃『昨日、話し疲れてそのまま寝ちゃったじゃない。朝からなんか変だよ・・・って、お母さんと妹がいなくなっちゃったんだったね・・・。』
今の葉にとってはそれは2番目に大事なことで、今最も大事なことは・・・寝起きの方が可愛いということ。
佐村『一週間も待てって!?ふざけんなよ!!』
麻里『落ち着いて・・・でも、一週間は長過ぎるんじゃないですか?』
小林『奥様が愛想を尽かして出て行った可能性もありますからね。様子を見てみては?』
佐村『はあ!?愛想を尽かしたって、家庭にトラブルなんてなかった!!夕方、携帯にもあっちから着信があったんだぞ!!』
麻里『もう何を言っても無駄だよ・・・とにかく、一週間の内に帰ってくることを願おう。』
佐村『なんで、色葉が愛想を尽かして出て行った前提になってんだよ!!ふがふが・・・。』
麻里『私たちは被害届けを出しましたからね。警察官の冷たい受け答えも最初から最後まできっちり録音しましたから。真剣に捜索してくれることを願っています。』
麻里は佐村を引っ張り外に出た。
麻里『・・・本当に家出じゃないの?』
佐村『家出だったら葉を残すはずがない。』
麻里『なんで言い切れるの。』
佐村『育ててるのあいつだからさ。』
麻里『・・・そんなんだから出て行ったんだよ。』
佐村『そんなはずはないって言ってるだろ!!俺は潔白だ!!』
麻里『潔白ぅ?海外のホテルで色葉が家で待ってるのにブロンド美女を部屋に連れ込んだという情報が耳に入ってるんだけど。』
佐村『・・・が、ガセ情報だろ。』
麻里『きっと色葉も我慢してたんだよ。気づいてただろうし。』
佐村『なんか、俺が悪いって前提になってるけど・・・あいつもあいつで、ここ数年は夜の生活を受け入れなかったし・・・二人目が欲しいって泣き疲れて、二人目が生まれた途端のセックスレスだぜ?俺はどこで発散すればいいんだよ。』
麻里『色葉の目が届きにくい海外でしょ。でも、相談も無しに姿くらますのはいただけないかな。一本、筋だけは通さないと。』
佐村『勘違いすんなよ。確かに連れ込んだけど、数分で逃げられた・・・じゃなくて、ありがとう・・・でもなくて、とにかくおしゃぶ・・・おしゃべりをしてもら・・・しただけだからな!!』
麻里『はいはい、遠吠え、遠吠え。まだ録音してるからね。』
佐村『あ・・・マジで・・・。』
ぶーん・・・カチ
ガチャ
綾乃『ふぅー。やっぱり芸能人の家のお風呂って広いんだね。いつもより長風呂しちゃった。葉、次いいよ。』
綾乃ってこんなに色っぽかったかな・・・葉はドキドキが止まらない。
葉『卒業式までに帰ってくんのかな。』
綾乃『・・・厳しいかも。』
葉『なんで?』
綾乃『女の決意は固いから。』