白い天井
20時・・・
美知『えっ、まだお姉ちゃんと苗が帰って来ないの?』
葉『スマホに出ないから心配でさ・・・。』
美知『お父さんは?』
葉『・・・出ない。』
美知『うーん、わかった。おばさんがお父さんの知り合いに電話をかけてみる。』
ヤバいかも
なになに、深刻そうwww
今、誰も家にいない
俺んとこもいない
そっちは共働きでしょ!!
今、家に誰もいないんだよね、だとしたらチャンスじゃないかな
ニンニンwww
葉、見てる?
ああ
ああwww寂しいYOwww
今から家に行ってもいいかな
もう遅いから危ないんじゃないか
そうだよー
葉、迎えに来て
えっ
いーなー共働きの家は
葉は綾乃を迎えに行くことになった。綾乃の家も両親が共働きだ。悪い気はしない。
綾乃『まだ、連絡つかないの?』
葉『ああ。こんなことは初めてだから、一応おばさんに連絡した・・・俺に気があったりする・・・?』
綾乃『ん?』
葉『・・・何でもない。』
家に連れ込める。しかも、今日は俺一人。さらに、綾乃から迎えに来てと頼まれた。これは、初めて・・・と、甘いことを考えていたが邪魔者が玄関にいた。
麻里『あ、葉くん。』
葉『あれ・・・麻里さん・・・なんで?』
麻里『美知ちゃんから電話があってさ。夫も飲み会があるみたいだから行けるよって。あれえ・・・中学生のくせに女の子を連れ込む気だった?肉食だねえ(笑)』
綾乃『連れ込む?』
葉『い、いや・・・その・・・綾乃から迎えに来てって・・・な?』
綾乃『・・・もしかして、藤浪麻里さん!?テレビで見るよりも美人ですね!!』
麻里『ふふふ(笑)』
葉『多少は整形だろ・・・。』
ギラッ!!
葉『た、多少たりとも整形のはずないだろ!!』
麻里『葉くん、人見に似てきたね。』
綾乃『人見って、ドラムを叩いてた人ですよね。私もなんとなく葉に似てると思ってました。』
葉『・・・父さんに連絡はつきました?』
麻里『うん。7回目の着信でやっとね。そろそろだと思うけど・・・あのタクシーじゃない?』
ガチャ
佐村『まだ、帰ってきてないの?(笑)』
綾乃『お酒臭い・・・。』
葉『こんな事態なのに酔ってんのか・・・。』
麻里『二人は家の中に入ってて。私たちはお母さんを探してくるから。』
葉と綾乃は家の中に入った。何か大きな音が聞こえたけど気にしない。
綾乃『ねぇ、葉。』
ゴクリ
葉『な、なんだよ。』
綾乃『・・・。』
葉『お、俺も・・・。』
綾乃『あのテープを聞かせて。』
きょろきょろ・・・キーッ!!
佐村『・・・やっぱり、代われ!!心臓に悪い!!この車、初心者マークついてねぇから!!』
麻里『うっるさいわねぇ!!飲酒運転よりはマシじゃ!!ボケェ!!もう一回、傷口つねろうか!!』
佐村『片手ハンドルは絶対にやめろよ!!マジで!!ダチョウのノリじゃねぇからな!!』
麻里『片手ハンドルなんて、出来るわけないでしょ!!私、妊婦よ!!』
佐村『そういえば、ギターは弾けなかったな!!一から教えてやったのに!!
麻里『今日は早めに切り上げたんでしょ!!早く帰ってあげてたら、こんなことにならなかったのに!!ダメ夫!!』
佐村『おっとモラハラか!?切り上げたところでちょうど連絡があったから、色葉もわかってると思ってたんだよ!!』
麻里『わかってると思ってたって、色葉が悪いって!?連れ去られたのかもしれないじゃない!!』
佐村『連れ去られた!?そんなもん人生で二度もあるわけないだろ!!』
麻里『・・・あるわけないとは、言えないんじゃない・・・あるわけないと思いたいけど。』
私は寝た、そして目覚めた。時計も窓もない部屋で私は白い天井を眺めてる。先生はまだかな。
ガチャ
島田『さすが専業主婦。時計がなくとも定時に起きられるんですね。』
定時ということはお弁当を作り始める5時くらい・・・?
私『あの・・・私の病状は・・・。』
島田『聞きたいですか?』
私『・・・私の体なので。』
島田『隔離されるような病気です。』
ここで私が気付けばよかった。隔離されるような病気ならば、この男が私の横に座るはずはないと。
島田『お話を聞かせてもらえませんか。もう時間は残されていないのです。』