表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

少女

今回は薄幸少女視点です。

イジメ描写あります。

今回は能力描写がありませんというか男が出ません。

今日は袋叩きにあった。

痛かった。

でも泣かなかった。

泣いたら負けな気がした。


少女が泣かない様に丸まって耐えているとお腹を蹴られた。

思わずお腹を蹴られて呻く。

痛みで視界が霞んだ。

そんな少女を見て男子の一人が思い切り顔を蹴った。


メガネが割れ、破片が少女の顔を切り裂く。


血が出て流石にまずいと思ったのか最後にまたお腹を蹴り上げられて終わった。



俯きながら家に帰る。


両親は私に無関心だ。

きっと顔のことも何も聞かれない。

新しくメガネがいると言えば買ってくれるだろう。

必要な物は揃えてくれるしご飯も食べさせてくれる。暴力も無い。


……だがそれだけだった。


幼い頃からそうだった。

両親は少女に唯々無関心で少女はいつも一人で遊んでいた。


少女の周りに笑顔はなかった。


少女は無意識の内に自分がいると周りの人が笑わなくなると思い込んだ。


家に着くと鏡に向かって傷の手当をした。近眼のせいで鏡に顔が着きそうなほど近づかないと何も見えない。我ながらよく家まで帰ってきたものだ。


「……」


流石にこの顔であの人には会えないな、と視界がぼけていても所々腫れ上がっているのが分かる鏡の中の顔を見ながらぼんやり思う。


あれ?何であの人に会えないことを残念に思っているんだろう、と自分を庇って大怪我をしたあの青年に会うのが楽しみになっている自分に気付いた。


自分でも何かを心待ちにできるのか、と少女は少し驚いた。



あの青年は大怪我をしたのに笑っていた。ニコニコと私に笑いかけてくれた。その笑顔を見ていると何故か救われたような気がした。


鏡の前で少し笑ってみると何とも言えない表情になった。


思わず舌打ちをしてしまった。


輪郭のぼけた自分の顔を睨み付けたらぼやけた目で睨み返された。当然か。


次の日は学校を休んだ。

メガネが無いのでどうせ行ったところで何も出来ない。何せ黒板が見えないのだ。何をするでもなく家で時間を潰していた。


次の日、メガネが買い与えられた。

デザインはいたって普通のメガネ、といった感じだ。


三日目から再び学校に行きだした。


顔は腫れこそ多少は収まってきていたがまだ塞がっていない細かな切り傷があったのであちこち絆創膏だらけだ。


今日は上履きは無事だった。


教室に入った瞬間さっきまでしていたざわめきが一瞬止まり、変わってひそひそクスクスと何かいいあって嗤う声が溢れた。


慣れてはいるがやはりこういう反応はやはりとてもイライラする。



その日の放課後、また校舎裏に連れていかれた。


頭から水をかけられた。



「糞…」


家路につきながら吐き捨てた。

いつまでこんな日々が続くんだろうと悶々としながら。



それから暫くして顔の腫れも完全に取れ、少女はまた男の病室に通うようになった。

中々暴力描写というのは気が引けますね…。

いやはや難しい。

自分もイジメを受けてはいましたが無視とかからかうとかで物理的な暴力はあまりなかったですね…。まだ酷くない方のイジメでした。


イジメ、いくない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ