表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/37

ラピュタ

俺たちはテルーナを目指して北東へと歩いていた。


マルスたちが来たロムルス王国は俺が召喚されたグレート・テンプルより西にあるそうだから、俺は来た道を少し戻る形になる。


「本当に不自然な程綺麗に生え揃った草だな。芝生をもっと長くサラサラにした感じだ」


「この植物はこの丘にしか生えない。”女神の絨毯”だ」


「やっぱりここって丘なのか?」


「ああ、この円形の丘の中心にグレート・テンプルがある。まぁみんなこの丘も含めてグレート・テンプルって呼んでるけどな。巫女に付き添われないと出入りできない聖地だ。…噂をすればほら、巫女様のお出ましだ」


前方からティナと同じような服装をした長身の女性が近付いて来た。


び…美人だ。


この世界の巫女は顔が整ってないとなれないのか?


紺色に近い青い髪と同じ深い青い目はなるほど、黒に近い色だな。


「何用ですか」


凛とした声も痺れる…!


「テルーナに入りたい。俺は冒険者でこの二人は連れだ」


「セキュリティカードを拝見します。…宜しいでしょう、では籠にお乗りください」


「籠?」


そういえば目の前には気球のゴンドラのようなバスケットがある。


「ほら、乗った、乗った」


マルスに急かされて乗る。


籠には両側に黒くて頑丈そうな紐がついていて、その先っちょには留め金?


すると先ほどの長髪のお姉さんと双子の思しき瓜二つの女性が出てきた。


こちらはショートカットだ。


こっちも可愛いと見惚れていると、そのお姉さんが腰に巻いたベルトの留め金に紐の先を引っ掛けていた。


反対側では先ほどの長髪のお姉さんも同じことをしている。


そして二人が羽を開いた。


え?


まさか…!


「よし!お前らちゃんと捕まってろよ!」


マルスの言葉と同時に籠がふわりと持ち上がり、俺は絶叫した。


「高所恐怖症だったのか?」


「いや!そうじゃないけど、余りに予想外ってか!大体あの紐頼りなさ過ぎないか!?」


てか色々とおかしいだろ!?


何であんなか弱そうな天使たちが俺たち三人を軽々と運んでるんだ!?


「あの紐は大昔から使われているエルフの作った魔法道具だから、大丈夫だ」


そっそうか…てかエルフすげーな。


魔法すげーな。


「そもそも何で俺たち飛ぶことに?」


「見ればわかる。ほら、あの雲がどいてくところをよく見ときな」


大きな吊るし雲がゆっくりと動く。


すると、その先に現れてきたものは…


「ラ、ラピュタ…!」


「空中国家テルーナだ。立派なもんだろう?」


そこに現れたのはジブリのラピュタを遥かに上回った巨大な空に浮かぶ島だった。


テルーナに上陸し、マルスが乗車賃を支払っている間も、俺はまだ夢の中のようだった。


「テルーナはこの世界のあるべき姿だよ」


キョロキョロ忙しなく周りを見渡す俺を見て、マルスは笑いながらこう言った。


テルーナは冒険者の国というだけあって、ありとあらゆる種族の人々が行き交い、通りは活気に満ち溢れている。


建物なども、中世ヨーロッパ風で、これぞ王道ファンタジーという雰囲気に、俺はテンションの高まりを抑えられなかった。


てか…何だ!この顔面偏差値の高さは!


俺はてっきりたまたま美人やイケメンと出会ってきただけなのかと思ったが、それは間違いだったようだ。


訂正しよう。


この世界には美人とイケメンしかいない!


今いち種族がわかんないな…見た目は人間っぽいんだけど、髪の色紫とか鮮やかなオレンジとかだし。


あ、あの緑の髪の子、美人だな~種族はなんだろう?


俺がそう考えた瞬間、その少女の頭の上に文字がポンっと浮かんだ。


ミリ 13歳 女 人間 HP50 MP10


「え!?え!?」


「どうした?大将」


「あの、緑の髪の女の子の、頭の上に文字が!」


「…ん?俺にはわからないが」


「え?嘘だろ?だってあんなにはっきり!なあジョン!」


「きゅ…マサト様はお疲れなのでは?」


「そうだな。じゃあギルドに行く前に宿に荷物でも置くか!」


マジかよ。


俺にだけ見えてるってわけか?


今度は試しにマルスの後頭部に集中してみる。


ポン


マルス 36歳 男 狼人間人間 HP2587 MP5


…出たよ。


狼人間人間って狼人間と人間のハーフって意味か?


マルスたちに見えてないということは、個人の内部でのみ視覚化されるんだな。


みんなも出来るのか…いやありえん。


もし出来たらマルスがロムルス王国で暮らせるはずがない。


『あなたの五感、及び第六感を少しばかり…』


女神様の言葉を思い出す。


そうか、これが所謂チートか!


視覚のチートって遠くが見えるとかそういうことじゃなかったのか~!


良かった、俺今の今まで女神様がうっかり授けるの忘れたんじゃないかと思ってたよ!


俺はこの能力を”透視”と呼ぶことにし、宿に着くまでの間、道行くありとあらゆる人を透視した。


人間、狼人間、天使、猫人、ケンタウルス、ドワーフ、鬼、ドラキュラ、ニンフ、悪魔、妖狐、蛇人間…。


おっダークエルフじゃん!


すげー可愛い!


そうだ…男のロマン!


透視!!


服の中よ!透けよ!


ちっ…流石にその機能はなかったか。


そんなことをやっている内に危うく迷子になりそうになりながらも宿屋に着いた。

チートがようやく出てきました。

これからもっとチートさせる予定です。

ご意見、ご感想等ございましたら、遠慮なくお聞かせください。

色々と稚拙な文章ではございますが、読んでくださって本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ