④
「一度、明美さんとはるかさんの状況を確認しましょう」
この行方不明事件の経緯は⋯
・昨日(夢の中における)の午後4時頃。学校を終えたはるかさんを明実さんは学校に迎えに行った。
・その後、お店に到着し、唯が来るまでお店の中に居た。(その間、父さんも僕も2人の姿を見ていない)
・休憩スペースで座って待とうとした時、明実さんはノイズ音と共に意識が途絶える。意識が戻ると、自宅にいた。その時、はるかさんは居なかった。
・翌日(今日)、はるかさんの行方を探しに明実さんはお店に来る。防犯カメラの記録映像を見るが、2人の姿は映っていなかった。
「こんな感じですよね。まぁ夢の世界なので不思議なことが起きてもおかしくはありません」
「夢?」
「はい。この世界は僕の夢。僕が作り出した世界です」
唐突な僕の発言に、明実さんは怪訝そうな表情を浮かべる。
「まぁそれは置いといて。唯、昨日のはるかさんの様子はどうだった?」
「昨日はいつも通りだったよ。でも、放課後になったら、はるかはすぐに出ていったよ。多分、お母さんに会うためじゃないかな」
学校の中で、はるかさんの身に何かが起きている様子は見られなかった。
「明実さん、はるかさんと会った時、何か違和感とかありましたか?」
「いえ、特には」
「なるほど。父さん、常連さんとかには昨日の状況を確認してくれた」
「あぁ。わざわざお店にも来てもらって、警察と一緒に確認したが、やはり、昨日明実さんとはるかちゃんを見掛けた人はいなかった」
「⋯つまり、明実さんとはるかさんはこのお店には来たが、店内には入っていなかった」
「そんなことはありません!私たちはお店の中にいました!」
明実さんが語気を強めて言う。
「状況として、それはあり得ません。お店の中に居たら、何かしらの痕跡が残るはずです」
「佐藤さん…もしかして、はるかのお母さんのこと疑ってる?」
唯の言葉に僕は頷く。明実さんは怒りを顕にする。
「なんでそんなことが言えるの!こんなに、私ははるかのことを心配しているのに!あなたに心はないの!?」
「落ち着いてください。状況や証言のズレを捉えると、そういう可能性もでてきます」
「証拠なんて何もないじゃない!いい加減にしなさいよ!」
「…もしも、証拠があるとしたら?」




