⑥
「…そんな大きなことと繋がっていたんだね。気持ちとか大丈夫?」
楓は僕のことを心配そうに見つめる。
「大丈夫だよ。むしろ、少しずつ真実に近付けていることが嬉しいよ」
「よかった。ネガティブになってたらどうしようと思って。私、気になったことあるんだけどさ」
楓が携帯の画面を見せてくれる。
「草間には後2名の殺人の容疑がかかっているみたいなんだけど、それは否定しているらしい」
「後2名…その2名の詳細は?」
「分からない。この事件、かなり厳重に情報管理されているみたいで、30年前に殺害された方たちの名前や年齢も草間の自首と自白から報道されるようになったみたい。どうやら被害者の親族が実名を許可したみたい」
「確かに、今までこの事件について報道されてこなかったよな」
楓は続ける。
「もう一つ気になるのが、草間の『そろそろ頃合いだから』って言葉。あれって何に対して言ったの?」
確かに、色んな意味で捉えることができる。もう十分に逃げることができたから。そろそろ捕まろうと思ったから。
−−−−なぁ…き…い…か
再びノイズ音が響く、先程よりも強い頭痛だ。僕は倒れ込む。
「圭太!ちょっと大丈夫!」
楓が僕の体を揺さぶる。
「だい…じょうぶ。でも、…多分、このまま…夢の中に…いくと思う」
意識が飛びかける。最後の舞台に行くと言う確信だけはある。
「圭太、頑張ってきなよ!待ってるからね!」
楓が僕の背中を力いっぱい叩く。
−−−バシン!!
−−−プツン
叩かれた衝撃と共に、僕の意識はシャットダウンした。




