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「…そんなにその話がしたいのか」
「僕は…自分のことが知りたい。夢の中での出来事や関わる人たちから、僕には何かがあったことは分かった。僕は、自分自身の身に何が起きたのかを知り、自分と向き合いたい。」
「…」
「きっと、向き合わなくても幸せに生きれると思う。でも、それは仮初の幸せだ。夢と変わらない。しっかり現実の世界を生きるためにも、僕は自分のことが知りたい」
僕の思いを聞き、父さんは顎髭を触りながら考え込む。しばらく沈黙が続く。
「…分かった。だが、自分で答えに辿り着いたら。私から真実を話す」
父さんの心が動いた。
やはり、過去に何かが僕の身にあったんだ。
その真実を知るために、僕は自分の考えを父さんにぶつける。
「ありがとう。まだ答えに辿り着けてはいないんだけど、一度今まで見た夢の中での出来事や登場人物を整理して伝えたい」
【夢の中の登場人物の詳細】
『女子高生行方不明事件編』
店長−武史さん(60歳)
アルバイト(男子高校生)−友樹(18歳)
アルバイト(女子高校生)−唯(18歳)
※現実世界における僕の家族(店長は父さん。アルバイト2人は弟と妹)
唯の友達で行方不明者−はるかさん(18歳)
はるかさんの母親−明実(30代)
『ホテルハッピー編』
殺害される男の子−康太くん(5歳)
康太くんの母親−雫さん(30代半ばぐらい)
『リトルコーポレーション編』
僕の上司−本田さん(40代前半)
本田さんの親友−後藤さん(40代前半)
『全てに関係している?』
僕−佐藤圭太(33歳)
殺人犯−草間(20代後半)
【夢の詳細】
『バイク屋・女子高生行方不明事件』
・現代が舞台。バイク屋の場所は港公園の隣にある。建物は港の倉庫を改築したもの。
・唯の友達のはるかさんが行方不明となる。現場はバイク屋。
・バイク屋と外観と構造が同じ建物が2つあるため、もしかしたらそこと勘違いしているのではと僕が推察した。
・実際に2つの建物に行き、証拠が残っているか確かめることに。
『ホテルハッピー編』
・数日間見続けた夢。30年前が舞台。内容は5歳の男の子の殺害を防ぐために何度もタイムリープするというもの。
・最初の建物に近づいた際にこの夢の世界に入り込む。
・バイク屋と似た建物はホテルだった。
・雫さん、康太くん、草間と関わる。
・最終的に午後7時に康太くんと雫さんは草間に殺害される。(繰り返し見ていた時は雫さんは殺害されていなかったが、最終的に殺害されている)
『リトルコーポレーション編』
・新たに見た夢。現代が舞台。内容はリトルコーポレーションというゼネコン会社の社員となり、働くこと。
・2つ目の建物に近付いた際にこの夢の世界に入り込む。
・本田さん、後藤さん、草間と関わる。
・最終的に草間が後藤さんを殺害。午後7時に本田さんも亡くなる。
【夢の中(女子高生行方不明事件を除く)の共通点と差異点】
『共通点』
・似た構造の建物が出てくる。
・草間と僕が必ず登場する。
・僕たち以外の登場人物は必ず亡くなる。
・亡くなる時刻は午後7時。
『差異点』
・舞台の年代が30年前と現代。
・夢の中の設定や建物の使われ方。
・夢によって草間と僕以外の登場人物は異なる。




