㉖
「前回の夢では、俺が直接的に子供を殺めた時もある。だが、お前に邪魔されて直接子供と関わることができない時もあった。だが、子供は死ぬ。決まった時刻に」
「…お前の怨念とかか?」
「馬鹿か。たかが人間にそんな力はない。そこまでファンタジーに富んだ夢じゃないだろう。午後7時。これが1つのポイントになる」
気付けば、後藤さんと本田さんの姿は無くなっている。この広い空間に存在しているのは、僕と草間だけだ。
「つまり、お前が直接触れていない、関わっていなくても、康太くん、そして、本田さんは必ず亡くなっていた」
「あぁ。それに子供の母親も、最終的には死んでいる」
「…少し整理していいか」
前回の夢の状況は、
①舞台は30年前、ホテルハッピーがあった場所。
②登場人物は、雫さん、康太くん、草間、僕
③午後7時に康太くんは草間に殺害される。その後わ雫さんも。
今回の夢の状況は、
①舞台は現代、リトルコーポレーションと倉庫。
②登場人物は、本田さん、後藤さん、草間、僕
③後藤さんは草間に殺害される。そして、午後7時に本田さんも亡くなる。
「2つの夢で共通しているのは、『似た構造の建物』『草間と僕がいる』『僕たち以外の登場人物は亡くなる』『時刻は午後7時』。逆に共通していないのは、『舞台の年代』『夢の中の設定』『僕たち以外の登場人物が異なる』こと」
「じゃあ、共通していることから何か見えてくるか?」
共通していることから見えてくること…
似た構造の建物。ホテルと倉庫と使われ方は違うが、場所は同じ。…同じところで殺害されたということか?
僕たち以外の登場人物は亡くなる。僕と草間は生きている。生きている者と亡くなっている者。
午後7時に亡くなる。バットエンドのトリガーとなる時刻。
それらを組み合わせる中で推察できること。
「…4人は同じ場所で午後7時に亡くなっていた。そして、その現場に草間と僕が居た。つまり、過去に6人が同じ場所に居たことがある?」




