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だが、そう思って前回は騙された。同じ轍を踏ないように、この草間の発言も信じないようにしよう。
「なぜ、お前は後藤に計画を止めるよう言われても、殺害を実行しようとしてるんだ?」
本田さんが問い掛ける。
「んー?さっき言った通りだ。それ以外に何がある?」
「…いや、お前という人間が分かった」
「まともな会話は通じませんので。あと、いいこと言ってくることもありますが信じないでくださいね」
草間が近付いてくる。
「本田さん、隠れていてください。」
「何言ってるんだ。俺も一緒だよ」
隠し持っていた警棒を構える。昼間に話していた警備員の人が持っていたものを警備室からくすねていた。
「本田さん、泥棒の才能あるかもしれないですね」
「夢の世界だから何でもありさ」
草間が駆けてくる。ナイフを僕に突き刺してくる。草間の腕を本田さんが警棒で力いっぱい殴る。
草間が怯む。その隙に、僕が鉄の棒をフルスイングし、草間の顔面に当たる。
草間はその場に倒れ込む。その拍子に、ナイフは何処かに飛んでいく。
僕は、倒れた草間に追撃する。こいつが動けなくなるまで痛めつけなければ何をしでかすか分からない。
「お、おい。もういいだろう」
僕の行動に、本田さんは引きながら止めに入る。
「ダメです。こいつが動くと何しでかすか分かりません。なので、動けなくなるまでやるんです」
流石に動けなくなるまで痛めつけただろう。僕は草間を引きずり、資材のロープを使って、柱に括り付けた。
これで、こいつが余計なことをすることはない。本田さんを守ることができた。
「…俺はお前が恐いやつに見えてきたよ」
黙々と処理をする僕の姿が、本田さんにとって得体のしれない何かに見えたようだ。
「草間には何度もこういうことしてますからね。慣れてますよ」
僕の発言に、本田さんはさらに引いていた。




