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店長に雇われた僕は、店長の知り合いのバイク会社で整備士として修行を積んだ。その間、高卒認定試験に受験し、合格した。そして、正式に整備士としての資格を取るために専門学校に通い、無事資格を取ることができた。
整備士としての経験も、お金の工面も、全ては店長の支援のおかげである。僕の人生は店長に買ってもらったことで、掴めなかった幸せを掴むことができた。
ありがたいことに、大手の企業からも整備士としてスカウトをいただくこともあるが、全て断っている。店長にも勧められているが、僕はここから離れない。それが、僕ができる恩の返し方である−−−
「昼飯にしようか」
どんなにうるさい環境でも、店長の声は耳に入ってくる。僕は笑顔で反応し、行きつけの定食屋に向かった。




