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ずっと感じていたことがある。
−−−僕は、雫さんと康太くん、本田さん、草間、もしかしたら後藤さんに過去に会ったことがあるのか?
そして、雫さんと康太くん、本田さんは、僕にとって大事な人だった?
「…本田さん。」
「ん?」
優しい笑顔を僕に向けてくれる。
「僕も、本田さんに出会えて、本当によかったです」
自然と涙が出る。また別れてしまうのではないかという不安と、今度こそ守り切りたいという思いが、僕の感情の壁を壊す。
本田さんは僕の頭を優しくなでる。
「泣くな!男は強くないとダメだぞ!」
似たようなことを誰かに言われたような気がする。
僕が落ち着くまで本田さんは頭を撫でてくれた。
−−−−−−−−−−−−−
「すみません。感情的になって」
「いいんだ。人間なんだから感情的になることもある。それに、佐藤の頭を撫でることができて、満たされた気持ちになったよ」
本田さんの携帯の通知音がなる。本田さんが携帯を確認すると、後藤さんからのメッセージが届いていた。
−−−倉庫で待ってる
「どうする佐藤?下手したら俺は殺されるかもしれない。このままここで籠もっていても良いかもしれない。でも、それは佐藤にとって前に進むことになる繋がるのか?」
…このままここにいれば本田さんを守れるかもしれない。でも、それは僕にとっても、本田さんにとっても、よりよい選択ではない。
「…行きましょう。何があっても守ります」
「頼もしい騎士様が側にいてくれて嬉しいよ」
僕たちは城から抜け、攻め入ることを決めた。




