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建物(今後は倉庫と言う)の中は管理している物ごとに分類されて置かれている。分かりやすく言うとホームセンターみたいな感じだ。
搬入搬出がしやすいように1階建てて、フォークリフトが往来している。
昼時とはいえ、作業員の人たちが荷物の出し入れをしたり、スーツを着た社員の人が荷物の確認をしたりと、働いている。
こうして見ていると、僕たちの知らないところや見えていないところで、多くの人たちが働いて、社会を支えている。みんな何かしらの土台となって頑張っているんだと、僕も誰かの土台となっているんだと、なぜか元気をもらえた。
一通り散策は終わったが、正直何も成果は得られていない。
得られたことは働くことの意義について再認識できたぐらいだ。
僕は本田さんのところに向かおうと歩き始めた。
少し歩いた時、
「あれ?後藤さん?」
後藤さんが作業員の人と何か話している姿が見えた。
僕は後藤さんに挨拶をしようと近付いた。
−−−−え?
後藤さんと話していた人物は−−−
−−−草間だった。
心臓の鼓動が早くなる。体中から汗が噴き出るのを感じる。
僕は咄嗟に物陰に身を隠す。
−−−どういう状況なんだ。
少し小柄な体格。狂気をはらんだ瞳。ヘルメットを着けていても、作業着を着ていても分かる。あれは間違えなく草間だ。
−−−冷静になれ。
僕はその場に座り込み、混乱する頭を、激しさを増す鼓動を必死に落ち着かせた。
−−−一度整理しよう。
改めて、以前の夢の出来事、現在の出来事、そして、2つの夢の関連性を導き出すために、瞳を閉じた。




