③
−−−現在、CCプロジェクトに向けて測量作業をはじめました。
…誰かの声が聞こえる。
僕は静かに目を開けると、どこかの会議室で、何かの会議が行われている。
「やっと動き出せてよかったよ。本田さんがトイ工業と連盟を組むことができたからだよ」
「いやいや、皆様のお力添えのおかげですよ」
上役っぽい人たちと向かい合わせでプレゼンをしている人が本田さん?
見た感じ、40代前半で、清潔感あふれている。一目見てこの人仕事できるなと感じる。
ん?何で僕の正面に上役の人たちがいるんだ。
てか、何で僕はプレゼンする側にいるんだ?
「それでは、着工に向けての今後の計画については佐藤がご説明します。佐藤、よろしく」
本田さんが爽やかな笑みを僕に向けてくる。
…何が起きている?
「え、あ?」
「ん?どうした?昨日打ち合わせしただろ。昨日見せてくれた資料とパワポで計画案を説明してくれ」
「資料?あの、申し訳ないのですが、何をおっしゃっているのですか?」
僕の発言を聞き、本田さんは滝のような汗を流しはじめる。
上役の人たちもざわつき始める。
いまさらだが、なぜか僕はスーツを着ている。
「す、すみません。佐藤は本日調子が悪いみたいなので、私から続けて説明しますね」
本田さんは切り替えて説明を始める。
僕は未だに状況を飲み込めず、呆然と立っていたが、本田さんのジェスチャーに気付き、至急座った。
前回とは打って変わって、今回はここが舞台となるのか。しかし、今までこの世界は見たことがない。
この環境が、はるかさんの行方不明事件や雫さん、康太くんとの夢。そして、僕自身の何かに繋がっているのか。
今は何もできないが、本田さんに後で様々なことを教わろうと決めた。




