①
−−−戻ってきた。
緑豊かな自然の中にある団地、どこか寂しさを感じる港の倉庫のような建物。チョッパースタイルの相棒。
僕は、前回の夢の続きにいることを確信した。
携帯の写真フォルダーを見る。そこには、雫さんと康太くんと撮った写真が残っていた。
この夢を完結できれば、僕が忘れていることを思い出すことができる。
次の目的地に向かう前に友樹に連絡をしよう。友樹の連絡先を確認し、電話をかける。
「佐藤さんお疲れ様です!何か分かりました?」
社会の荒波に揉まれる前の雰囲気が声だけで伝わる。
「いや、結局つかめなかった」
「そうですか…今店長と明実さんが警察に色々説明してます」
そうだ。はるかさんのお母さんの名前は明実さんだ。唯一忘れてしまっていたのが明実さんの名前だ。でも、なぜそれだけ忘れてしまったのだろう…
「唯は?」
「はるかさんとよく行ったところとか探しているみたいです。もしかしたらいるかもしれないって」
「分かった。何かあったら連絡して。」
「ありがとうございます!佐藤さんも気を付けて!」
電話を切り、次の目的地を確認する。
2つ目の建物は、僕たちが住んでいる市の中心街にある。改めて思うが、こんなでかい倉庫みたいなものをビルがひしめき合うところに設置できるのは、夢が成せる所業だ。
僕は相棒に跨り、逸る気持ちを抑えながら出発した。




