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父さんは何か知っている。
僕の見た夢と僕の何かが関係している。その確信を得られた。
しかし、具体的にその何かが分からない。
1人で悶々としていると、楓と圭介がリビングに現れる。
「パパ大丈夫?」
「何か、あんな雰囲気のお義父さん初めてだった」
2人は僕と向かい合うように椅子に座る。
「父さんは何かを知っている」
「何かって?」
「それは分からない。けど、僕の夢が僕の何かと関係しているんだ」
「じゃあ、夢占い当たってるんじゃない?」
「え?」
「『自分の人生の問題を解決する』ってあったじゃん。もしかしたら、圭太の知らない問題があるんじゃない?」
僕の知らない問題…
僕が覚えていないこと…
「でも、その問題を知るにはどうしたらいいんだ」
「お義父さんは教えてくれないの?」
「あの感じは絶対話さないよ…」
「ゆめを、みれば?」
「…夢?」
圭介は僕の目を真剣に見ている。
「パパ、ずっと、ゆめみてる」
「…確かに、まだ行方不明事件は終わってない。それに、夢の中にはもう1つ行かなきゃいけなかったところがある」
「おぉ〜圭介ナイスアドバイス」
「いえい」
楓と圭介がハイタッチする。
「圭太ってさ、いつも誰かのために一生懸命じゃん。人のよさばかり見てるじゃん。だからさ、少しぐらい自分自身のことしっかり見つめて、佐藤圭太という人間をもっと理解してあげたら?」
「…ありがとう。楓と圭介がいてくれて本当によかった」
「どういたしまして。じゃあ圭介、パパにおまじないかけてあげようか」
「いいよ」
2人は僕の頭に手を添え、撫で始める。
「いい夢見れますように」
「いいゆめ、みなね」
「ありがとう。パパ頑張るよ」
僕たちは寝支度を整え、寝室へと向かった。おまじないのおかげで、もう一度あの夢の続きが見れそうだ。
少しずつ意識が薄れ始め、ふわふわとした感覚が強くなる。
−−−もう一度夢の続きを−−−
そう思っている間に意識は完全に途絶えた。




