③
「パパ…」
「圭介おはよう」
僕たちの声で目が覚めてしまったのか、圭介が眠そうに目をこすりながら起き上がった。ぼーっとしている圭介を抱き抱え、リビングに移動する。
「コーヒーでいい?」
「うん、ありがとう」
楓がコーヒーを準備してくれる。休日の朝はこうしたゆったりとした時間が流れるのがとてもいい。ずっとこうした時間を過ごしたいものだ。
楓が淹れてくれたコーヒーを飲む。苦味が強く、目が覚める。僕はこのコーヒーの苦味が好きだ。
「圭太さ、なんか最近変な夢ばかり見るけどさ、何か悩みでもあるの?」
楓の言葉に最近起きたことを思い出してみた。仕事の大変さは特に気になることではない。家庭に対しての不満なんて一つもない。むしろ迷惑を掛けてしまって申し訳ないぐらいだ。
「いや、これと言ってはないかな」
「ふーん…そうだ、夢占いしてあげよっか」
夢占い…たしか、見た夢が何かの暗示となっていたり、深層心理で抱えているものを明らかにしたりするものだったはず。
「圭太が見た夢をまとめると、『行方不明の人物を探す』と『繰り返し男の子が殺害される』だよね」
「大体そんな感じだと思う」
楓がインターネットのサイトで調べ始める。
あまり夢占いのようなものを信じたことはない。自分の目の前で起きたことに対して、どれだけ悩みを抱えたとしても、傷付いても乗り越えるものだ。と僕は思う。全ては自分が見て、聞いて、感じたことを信じる。
「でたよ。行方不明の人を探す夢。行方不明になった人は知らない人だよね?」
「うん」
「『もっと注目されたい。もっと構ってほしい』という願望が表れてるんだって」
「なんだよそれ」
占いの結果を聞いて思わず笑いが出た。人によって感じ方は違うが、少なからず僕はそう思ったことは一度もない。
「みんながその行方不明になった人を心配していると、近い内に注目を浴びることが起こるかもしれないって」
「なるほどね。じゃあ僕が何かで注目されるのかもね」




