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⑨
「佐藤さん」
「圭太くん」
背後で2人が呼びかける。振り向くと、2人は優しく笑っていた。
「ずっと迷惑かけてごめんなさい」
「迷惑って…」
「僕、圭太くんと会えて、ママと出会えて本当によかった」
「私も。最後は夢が叶ったんですもの」
「夢?」
「うん。3人でこんな風に過ごせて本当によかった」
そう言うと、2人は草間の方に歩いていく。
「ちょっと…」
「おじさん!おじさんに何度も殺されても、僕は幸せだったよ!きっと悔しいだろ!」
「えぇ。命が消えたって心や思い出は消すことなんてできない。あなたには理解できないでしょうね」
言葉を聞いている内に、草間の表情が変わっていく。怒り、憎しみ、妬み、僻み、様々な負の感情が表情で表現されている。
草間は−−−−ナイフを構えた。
そして−−−
「佐藤さん」
「圭太くん」
−−−大好きだよ。




