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夢占い  作者: よし
運命は−−−
21/95

「雫さん!康太くん!」


2人の部屋の扉を思いっきり叩く


「佐藤さん!どうしました?」

「作戦は失敗です…今すぐここから逃げましょう」

「…分かりました」


僕たちは急いで外に出る。一度この町から出なければ、草間が来る。がむしゃらに走り続けるが、ある程度走るとまたホテルの前に戻ってくる。


「なんで!町から出られない!」

「…佐藤さん」


苛立ちや焦りで混乱している僕の肩に雫さんの手が添えられる。


「ここまで本当にありがとうございます。佐藤さんの優しさはもう十分受け取ってますよ」


雫さんの言葉には、この状況から逃げられない諦めを感じた。


「まだですよ…まだ方法が…」

「佐藤さん、僕疲れちゃった」


走り疲れた康太くんがその場にしゃがみ込む。


「康太くん…」

「そうだ!私たちまだご飯食べてないんですよ。今からお店でご飯は食べれないから、コンビニでおにぎり買いましょう」

「やった!!僕、鮭のおにぎり食べたい!」

「この状況で…」

「いいんですよ。むしろ最後は普通に過ごしましょう」


雫さんと康太くんは受け止めているのだろうか。2人は手をつなぎながら笑顔で歩き始める。ふと康太くんが歩みを止めて僕の方を向く。


「佐藤さん。今から圭太くんって呼んでいい?」

「え?いいけど…」

「よし!圭太くん!ママと手をつないで」

「康太!何言ってるの!」

「だって、ずっと圭太くんと手をつなぎたいって言ってたじゃん」

「変なこと言わないでよ!」


雫さんの頬が赤らむ。その姿を見て僕も恥ずかしい気持ちになる。


「…もう!」


康太くんが僕の手を取り、雫さんと無理矢理手を握らせる。こんな時に考えることは可笑しいのだが、雫さんの手は小さく、そして、温かい。


恥ずかしい気持ちを押し殺し、僕、雫さん、康太くんという順で手を握り、歩き出した。

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