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1時間後、はるかさんのお母さんがお店に到着した。
「はるかの母の明実と申します。この度はご心配とご迷惑をお掛けしてしまい、誠に申し訳ございません」
明実さんの姿からこの事態への謝意と共に、娘の安否に対する不安を強く感じた。そして、18歳の母とは思えないほど若々しく、20代前半位にしか見えない。
「明実さん。私はこの店の店長です。先程、唯から事情は伺いました。昨日のことを改めて教えていただけますか」
明実さんは昨日、店に来た時のことを話始める。
昨日の午後4時。学校の校門前で、はるかさんを明実さんは車で迎えに来た。学校を終えたはるかさんは既に校門前で待機しており、2人はそのままお店に向かった。どうやら、はるかさんは唯には内緒でお店に行きたかったらしい。
10分程でお店に到着し、入店する。店長は他のお客さんと話しており、そのまま2階に行き、売っている商品を鑑賞する。
さらに10分後、一度休憩スペースで唯を待とうと2人は移動した。店長たちは休憩スペースから移動しており、2人とは会わなかった。
休憩スペースで学校の話などで盛り上がっていると、頭の中にノイズ音が鳴り響いた。それと併せて、視界に靄がかかりだし、少しずつ意識が遠のいていった。そして、明実さんが意識を取り戻した時、明実さんは自宅にいた。
自宅には明実さんしかおらず、はるかさんはいなかった。もしかしたら、はるかさんは唯さんと合流して遊んでいるのではないかと明実さんは考えた。そのため、その日はそのまま就寝したが、翌日になってもはるかさんは帰ってくる気配がなかった。
はるかさんは何人かの友達の連絡先を明実さんに伝えていた。自分の身に何か起きたら友達に聞いてねと。その中に唯の連絡先があったため、心配になり連絡をした。
これが昨日から今に至るまでの経緯である。




