表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

第4話: 骨の迷路と裏切りの火花

霧が晴れると、目の前に広がるのは白亜の岩と化石が突き刺さった崖。佐藤太郎、生存4日目。空は鉛色で、雷鳴が遠くで唸る。足元は骨の破片が散乱し、カリカリと音を立てる。少女の槍が俺の喉元に光る。彼女はリナ、転生者だと名乗った。髪は泥で汚れ、目には警戒心。同じ境遇なのに、敵意むき出しだ。

「動くな、転生者。何を企んでる?」 リナの声は低く、鋭い。

「企む? 生き延びようとしてるだけだ!」 俺は肉の入った皮袋を握りしめ、応じる。

彼女は槍を下げるが、目は離さない。「この谷、資源は少ない。仲間は要らん。」

「なら、情報交換だけでも。俺、青い光の力持ってる。お前は?」

リナは一瞬黙り、槍の柄を握り直す。「…炎を操る。見せる必要はない。」

雷が鳴り、雨粒が落ちる。骨の迷路のような崖の隙間を進む。リナが先導。彼女の知識は本物だ。化石の間に隠れた洞窟、雨を凌げる。入ると、壁に恐竜の骨が埋まってる。スピノサウルスの背帆? 異様な光景だ。湿った空気が肌にまとわりつく。リナが焚き火を起こす。彼女の手から赤い火花が飛び、枯れ枝に燃え移る。

「お前の力、便利だな。」 俺は肉を焼きながら言う。

「余計なこと喋るな。食ったら出ていくぞ。」 リナは目を細める。

肉を分け合う。味は硬いが、腹は満たされる。外は土砂降り。雷光で、崖の影が揺れる。突然、地面が揺れた。岩が崩れ、洞窟の入口が塞がる。リナが炎を放ち、岩を溶かそうとするが、無理。俺の青い光で岩を浮かせ、隙間を作る。協力しないと死ぬ。

「…手を組むか? 一時だけだ。」 リナが渋々言う。

「いいぜ。生き残るのが先だ。」

隙間を抜けると、崖の奥に巨大な骨の迷路。トリケラトプスの頭蓋骨やラプトルの爪がゴロゴロ。雨で滑る足場。遠くで唸る声。パラサウロロフス? いや、肉食だ。デイノニクスの群れが近づく。リナの炎が道を照らし、俺の光で骨を投げつける。奴らを追い払うが、リナが突然俺を突き飛ばす。

「お前の肉、囮にさせてもらう!」 彼女は皮袋を奪い、走る。

裏切られた。雨の中、骨の迷路を逃げる。デイノニクスの息遣いが近い。光の力で跳躍、崖の縁へ。リナは消えた。雷鳴が響く中、俺は誓う。この世界、信じられるのは自分だけだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ