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09 Challengers' Overture: Rivalry Confrontation on the Path to the Top

「魔法技術研究院は、まさに技術革新の中核を担う存在です。魔法と科学技術の融合を推進するのみならず、新型魔法兵器の開発、エネルギーシステムの改良、さらには旧世界のハイテク技術の復興にも取り組んでいます。研究所には伝統的な意味での指導者は存在せず、構成員全員が未知への探求に情熱を注ぐ技術エリートたちです。彼らは自由な競争と協力の中で切磋琢磨し、数々の技術革新を生み出してきました。この開かれた環境からは、幾多の驚くべき技術成果が生まれています。」

 映像には実験室の様子が映し出され、研究者たちが巨大な魔晶石の周囲で実験を行い、魔力の伝達をより安定かつ効率的にするため、魔導装置の調整を繰り返していた。こうして要塞全体へ安定したエネルギー供給を維持しているのだ。

 アリソンはそっと手を引き、微笑を浮かべながら付け加えた。

「これらの組織はそれぞれ独立して活動していますが、危機が迫れば要塞の安全を守るために力を合わせて戦います。」

 真一は画面をじっと見つめ、考え深げに頷いた。要塞の運営についてはすでに一定の理解を得ていたものの、こうして複雑に絡み合ったシステムを改めて詳しく観察することで、その組織構造の奥深さをより強く実感した。

 その傍らで、愛理は異世界から来たリアとサティーナに、優しく明快な口調で辛抱強く説明を続けていた。二人がきちんと要点を理解しているか、一つひとつ丁寧に確認しながら。

 リアは少し眉をひそめ、画面を凝視していた。まだ幾分困惑している様子だったが、要塞の高度な技術力にはすでに驚嘆しているようだった。一方のサティーナはというと、興味なさそうにまぶたを半分閉じ、あくびを噛み殺すような仕草を見せている。どうやら、この手の話題にはまるで関心がないらしい。

 アリソンは軍服の裾を軽く整え、プロフェッショナルな笑顔を浮かべながら真一たちに向き直ると、

「それでは、これから大統領閣下にお目にかかりましょう。」

 と告げた。

 アリソンの案内で、真一たちは広々とした応接室を抜け、大統領執務室のある本館へと足を進めていく。ところが、いよいよ目的地に到着しようとしたそのとき、アリソンはふと立ち止まり、廊下の向こうに目を向けた。

「ちょうどいいわ。我が軍のトップチームを紹介しましょう」

 彼女の言葉が終わると、力強く安定した足音が徐々に近づいてきた。真一は思わず振り返り、四つの人影がこちらに向かってくるのを目にした――。

 先頭を歩いていたのは、鋭い眉と輝く瞳を持つ金髪の青年で、自信に満ちた誇らしげな笑みを浮かべている。軽やかでありながら安定した足取りで、まるで聖騎士のような気品を漂わせていた。その隣には、長い髪を束ね、縁なしの眼鏡をかけた成熟した女性が腕を組んで立っている。鋭い眼光を放ち、金髪の青年の振る舞いにもすっかり慣れている様子だった。

 彼らの後ろには、対照的な雰囲気の二人が続いていた。一人は長身で筋骨隆々の男。ノースリーブのタイトな戦闘服から鍛え上げられた腕の筋肉が浮かび上がり、晴れやかな笑みを浮かべながら、まるでいつでも挑戦を受ける覚悟ができているかのようだ。もう一人は、フード付きのロングコートを羽織った小柄な少女。フードで顔の大半を隠し、無表情な瞳だけを覗かせている。周囲のことなどどうでもいいといった態度だ。

第20章の翻訳も無事に完了しました!今回の章はこの巻の中で最も短い章で、任務前のちょっとした繋ぎのエピソードです。でも、本当に短すぎて、序章よりも短いんですよね(笑)。最初はもう少し文字数を増やそうかと思ったんですが、全体のバランスを見て結局やめました。


ちなみに、時事ネタに敏感な読者さんなら、この章に登場するキャラクターのモデルがわかるかもしれません。その中には、モデルの苗字をそのまま使ったキャラもいます(笑)。


当初はそのキャラを登場させる予定はなかったんですが、書いているうちに、その大物のそばにいる人物を見て「この二人、なかなかの凸凹コンビになりそうだな」と思い、急遽加えました。結果的に良いアクセントになったと思います。


ちなみに、この章のタイトルはその大物の雰囲気を参考に付けました。読者の皆さんに気に入ってもらえると嬉しいです。どうぞご期待ください!

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