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27 BELIEVE -ビリーブ-

 その時、一体のスケルトンがジェイソンに襲いかかる。彼は片手で軽々とその頭蓋骨を掴み取った。スケルトンは激しくもがき、骨組みがぎしぎしと軋んだが、ジェイソンがほんのわずかに力を込めただけで完全に動きを封じられた。

 次の瞬間、彼の掌からまばゆい聖光が放たれる。スケルトンの体は瞬く間に砕け散り、灰となって風に舞い消えた。

 彼の表情は淡々としており、声も落ち着いている。

「俺の能力は『聖なる浄化ホーリー・パーフィケーション』。その名の通り――穢れしものはすべて浄化される」

 ジェイソンが戦場の中央へと歩み出ると、群れなすアンデッドが押し寄せてきた。だが迫り来る刹那、彼の全身からまばゆいばかりの聖光が弾けた!

 黄金の輝きは津波のように広がり、戦場を一面に照らす。スケルトンもゾンビも塵のように一瞬で崩れ去り、まるで最初から存在しなかったかのように散り消えた。

 戦いは十分も経たずに終わった。ジェイソンの仲間たちは戦場の中央に無傷で立ち尽くしていた。息も乱れず、服も乱れず、まるでただ軽い準備運動をしたにすぎないかのように。

「ふぅ、楽勝だな」マコアは拳を振りながら、にやりと笑った。

「油断しないで」アイリーンはちらりと彼を見て、冷静に端末を操作していた。

 その時、ジェイソンは悠然と首を巡らせ、意味ありげな笑みを浮かべながら真一を見据えた。

「どうだ、レイノ。これが俺たちの実力だ」

 自慢げにそう言い、さらに口角を上げて続ける。

「しかも、まだ本気すら出していないんだぜ」

 真一は表情を崩さず、口元にわずかな笑みを浮かべた。

「ほう? 悪くないな」

 その声色は静かで、ジェイソンの挑発など取るに足らぬ戯れだと言わんばかりだった。

「ふん、大した自信だな」ジェイソンは目を細め、瞳にわずかな鋭気を宿す。

 隣の愛理は腕を組み、鼻で冷たく笑った。

「ふん、調子に乗らないことね。もっと手強い相手に出くわした時も、そんな余裕でいられるかしら?」

「なら、見ていればい」ジェイソンは戦意を帯びた目で笑みを浮かべる。

 サティーナは肩をすくめ、気のない声で言った。

「まあいいわ。いずれにしても、その分手間が省けたんだし」

 リアも小さくうなずいた。

「でも……警戒は怠らない方がい。このアンデッドの数は多すぎる。もっと厄介な何かが潜んでいるのかもしれないわ」

 その言葉に、仲間たちの表情がわずかに引き締まる。

 真一も軽く頷いた。

「確かに、どうあっても油断はできないな」

 ヴィクトリアがぱんと手を叩き、微笑みながら皆の前に出た。

「はいはい、落ち着いて。力比べはもう十分よ。私たちの目的は誰より強くなることじゃなく、任務を無事に果たすこと」

 彼女はきっぱりとした眼差しで仲間を見渡した。

「さあ、進みましょう。この先に何が待っているか、まだ分からないんだから」

 戦いは終わった。だが遺跡の奥には、なお未知の危険が潜んでいた。

 チームは静寂の中を進み続ける。その背後では、何もない空間が今もなお声なき囁きを放ち、知られざる秘密を語りかけているかのようだった。

 彼らは遺跡の奥深い回廊を慎重に進んでいく。空気には湿気と腐敗の匂いが漂っていた。

 壁にはかすれた古代の刻印が無数に刻まれ、まるで過去の秘密をささやいているようだ。照明の光が前方を照らし、床に描かれた複雑な模様を浮かび上がらせた。

 真一は眉をひそめて模様を観察していたが、足元の石が静かに沈んだこには気づかなかった。

「真、危ない!」

 突如として愛理の叫びが響いたが、すでに遅かった。

 床が轟音とともに裂け、地下から凄まじい吸引力が吹き荒れた。不意を突かれた真一は体勢を崩し、奈落へと引きずり込まれる。

 その刹那、愛理とヴィクトリアが同時に飛び込み、ためらいなく彼の両手を掴んだ。反動を利用して彼を引き戻すことに成功したが、そのせいで二人自身がバランスを失い、無防備のまま罠へと落ちていった。

「愛理! ヴィクトリアさん!」

 真一は歯を食いしばり手を伸ばしたが、罠はすぐに閉じ、残されたのは舞い散る塵だけだった。

 遺跡は一瞬、死んだように静まり返る。

ずっと考えていたんですが、なぜ異世界ものがこんなに増えているのかって、多分この自由じゃない世界に不満を持っている人が多いからですよね。人の自由は、環境や社会、周りの関係に常に左右されて、やりたいことを思い通りにできるわけじゃない。だからこそ、文学を通して自由を実現したり、内面の暗い部分を表現したりするんだと思います。


自分は異世界で現実から逃げるつもりはなかったと思っていたんですが、作品を振り返ってみると、どうやら自分はこの世界を壊して、すべてを一度ゼロに戻して、愛から始めたいんだなと気づきました。やっぱり執筆って、心の奥底の欲望を掘り起こして、文学として形にできるんだなぁと思います。


話は変わりますが、先週は第一巻の内容を整理して、冗長で繰り返しの部分を削り、フォーマットも少し整えました。先週は第26章の翻訳と執筆を進めると約束していたのに、結局できず…。今週こそ落ち着いて作業できればと思っています。


ちなみに、Grokは本当にすごいです。もう自分がやりたいことを完全に実現できるレベルで、Grok上の作品も公開しようかと一瞬悩みましたが、将来を考えて結局やめました。考えてみると、手元にはまだ8本の作品が控えていて、これは冗談じゃないですね(笑)。


最後に、読んでくださる皆さんに感謝です。皆さんの応援が、私の一番の原動力です。お楽しみに~!

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