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02 Love Confession

 太陽は燦々と降り注ぎ、街は大勢の人で賑わっている。サティーナは真一の腕を取り、小物を選びながら、まるで太陽のように明るく微笑んでいた。

「ねぇ真一、このブレスレットどう?あたしに似合う?」

「あー、綺麗だけど、もう10個以上試しているじゃないか」

「ふふん♪ 女の子は選ぶのが楽しいの!文句言わずに付き合いなさい♪」

 サティーナは気にせずブレスレットを店主に渡して会計を済ませると、そのまま興奮気味に真一の手を引き、服屋へ向かった。

「さ、さあ早く!まだ試したい服がたくさんあるの!」

 店内では、サティーナが楽しげに、時にはセクシーに、時には元気に、そしてエレガントに、次々と服を試着し、着替えるたびに振り返っては

「真一、これどうかな?」

 と無邪気に尋ねる。

 真一は椅子に崩れ落ちるように座り込み、最初は無力感に打ちのめされていたが、やがて感覚も麻痺し、適当に

「うん、どれも似合っているよ……」

 と繰り返すのだった。

「口がうまいわね。」

 サティーナはくすっと笑い、髪をかき上げて、再び真一の手を取ると、

「さあ、一緒に何か食べに行きましょ」

 と誘った。

 レストランでは、サティーナが大量の料理とデザートを注文し、遠慮なく食べ始めた。

「真一、このイチゴムース食べてみて!めっちゃ甘いのだから!」

 彼女は期待に満ちた瞳で、スプーン山盛りのイチゴムースを真一の口元に差し出した。

 真一は一瞬戸惑ったが、結局口を開けてそれを受け取り、軽く噛んで、困ったような、それでいて優しい笑顔を浮かべた。

「確かに甘いな。」

「でしょ〜」

 サティーナは満足そうに微笑み、料理をどんどん味わい続けた。

 暗がりの中、愛理は拳を握りしめ、歯ぎしりしながら小声で呟いた。

「ずるいよ…もう、あのバカ!完全にデレデレじゃん!」

 リアは頬を少し赤らめ、隣でそっと囁いた。

「サティーナって、ほんとすごいね。」

 食事を終えると、二人は街角のゲームセンターへ向かった。サティーナは目を輝かせてゲーム機を指差し、「真一、勝負しようよ!」と笑った。

「いいぜ。毎回君ばっかり勝たせるわけにはいかないからな。」真一は袖をまくり、やる気満々でマシンの前に立った。

 だが、わずか数分後、真一は信じられない顔で「GAME OVER」の文字を見つめた。

「嘘だろ?どうやったらそんなことできるのだよ?」

「ふふ〜ん♪」サティーナは腰に手を当て、得意げに笑った。

「魔王軍四天王の名は伊達じゃないのよ!」

 その勝ち誇った笑顔を見て、真一は肩をすくめ、ついには笑い出した。

「ほんと、君って不思議なやつだな。」

 日が沈み、柔らかな残光がロータスシティを包む中、二人は城壁のテラスに置かれた石のベンチに腰掛け、そよ風を感じながら静かな時間を過ごした。サティーナは尻尾を優しく揺らし、満足そうに笑う。

「今日はすごく楽しかったね、真一。あんたは?」

 真一は遠くの景色を見つめ、静かに頷き、珍しく微笑んだ。

「いやぁ、一日中引っ張り回されたけど……実は楽しかったよ。」

 夕陽の光が真一の顔を優しく照らし、柔らかな輪郭を浮かび上がらせる。

「ねえ、真一。」サティーナがふいに口を開いた。いつもの調子とは違い、少し低く、ふざけた感じのない優しい声だった。

「ん?どうした?」真一は少し驚いたように彼女の方を見た。

 サティーナの尻尾がそっと揺れ、頬がほんのり染まる。彼女はゆっくりと近づき、壁に手をついて真一を囲うようにし、顔を上げて彼の瞳を見つめた。

「真一……ずっと、あんたに伝えたいことがあるの。」

 真一はふと呆然とし、サティーナの深紅の瞳と目が合った。その瞬間、いつもの狡猾さは消え、代わりに優しさとかすかな恥じらいが宿り、燃え上がる炎のように情熱的で真剣な光を帯びていた。

「戦場であんたを初めて見たときから……」

 サティーナの声はわずかに震えていたが、その口調は驚くほど力強かった。

「あんたのことが……ずっと気になっていたの。」

 真一の胸は思わず高鳴り、口を開きかけたものの、何を言えばいいのか分からず、言葉を失ってしまう。

 そのとき、テラスの外の影の中で、愛理は口を押さえ、顔を真っ赤にしながら興奮のあまりじっとしていられなかった。

「サティーナ姉……告白している!」

 愛理は緊張と興奮で声を震わせる。

 隣にいたリアも顔を赤らめ、小さな声で囁いた。

「こんなの覗き見していて……いいのかな……?」

「しーっ!」

 愛理はリアの袖をぐいっと引っ張り、切迫した声で言う。

「今ここで退いたら逆にバレるって!それに……サティーナ姉と真を二人きりにするなんて心配すぎる!」

 二人は息をひそめ、暗がりに身を潜めたまま、テラスの二人の間に高まる空気に胸を高鳴らせていた。

ついに第5巻のプロローグ、書き上がりました!いや〜今回は本当に楽しい1章でした。個性豊かな美女たちが温泉に全員集合して、裸でまったりトーク。性格の魅力を思いっきり出してもらいました!そのシーンをより丁寧に描写したくて、プロローグの文字数も予定よりガッツリ増やしちゃいました(笑)


前にも言ってた通り、この章が作品内“最後のほのぼのシーン”です。次巻はいよいよ最終巻、そして最後の決戦へ。もう序章にこういうゆるい話を入れる余裕もないし、ストーリーの流れ的にも無理なので、次からは本編ラストスパートに突入です。


ちなみに、今回のプロローグにはエンディングにつながるちょっとした伏線も忍ばせてあります。本当はそんな予定なかったんだけど、書いてるうちに自然と流れで入っちゃったんですよね(笑)


結末はハッピーエンド&心温まる形になるので、ぜひ最後まで楽しみにしててください!

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