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16 Lead Your Way to Success

 マスクは鋭い眼差しで静かに言葉を続ける。

「この任務に失敗は許されない。もし『ナイトシャドウ』が本物なら、世界の存亡に関わる重要な情報をもたらす可能性がある。もし敵なら、決して逃がしてはならない。必要とあれば、生け捕りにしてでも情報を引き出す。万全の態勢で臨め。」

 真一はしばし考え、やがてゆっくりと頷いた。

「分かりました。それで任務の成功率が上がるのなら、断る理由はありません。」

「よろしい。」大統領は満足げに頷いた。

「それと、会場までの道中が円滑に進むよう、ガイドを同行させることにした。」

「ガイド?」リアは青い瞳にわずかな疑念を浮かべ、そっと問いかける。

「その通りだ。」マスクが紹介する。

「彼は長年現地任務に従事し、北米と中米の地形に精通している。サバイバル技術にも長け、遺跡探索にも詳しい。今回の作戦では、遺跡内部で迷うことのないよう案内役を務める。それに、彼の戦闘能力はレサージス・シティでも三本の指に入るほどで、その実力は侮れない。」

「傭兵かしら?」サティーナはくすりと笑い、「なんだか訳ありの男って感じね。」

「信頼できるのか?」真一は落ち着いた口調でマスクを見据える。

「もちろんだ。」マスクはきっぱりと言い切った。

「彼は筋金入りのプロフェッショナルだ。報酬さえ適正なら、決して雇い主を裏切ることはない。それに我々軍とも長年の協力関係にあり、数々の作戦でその信頼性は実証済みだ。」

「傭兵って金の亡者って聞いたことあるけど……」愛理が首を傾げ、小声で呟く。

「金銭は確かに動機のひとつだ。」マスクはわずかに微笑んだ。

「だが、優秀な傭兵にはひとつ共通点がある。――名声は黄金よりも価値がある、ということだ。」

「で、いつ出発するのだ?」真一が率直に尋ねた。

「三日後。」大統領はテーブルを軽く叩き、

「装備の準備、行動計画の確認、それからガイドやジェイソンのチームとの顔合わせも、その間に済ませておいてもらう。」

「三日間か……」リアは細い指でスカートの裾をそっと撫でながら、静かに呟いた。

「要塞内の特別戦闘訓練場で、シミュレーション演習も行ってもらう。想定される複雑な地形に、あらかじめ慣れておいてもらうためだ」とマスクは続けた。

「それと、ガイドは明日到着する予定だ。遺跡の地形について説明し、適切な助言もしてくれるだろう。」

「周到な準備だな」真一は頷き、仲間たちの方を振り返った。

「何か意見は?」

「別にいいわよ」サティーナは肩をすくめ、唇に妖艶な笑みを浮かべた。

「退屈させなければね」

「任務が決まった以上、さっそく準備を進めましょう」愛理は優しく微笑んだ。

「……うん」リアは小さく頷き、まだわずかに迷いの表情を残しながらも、その瞳は穏やかさを取り戻していた。

「よろしい」大統領はテーブルを軽く叩き、朗らかに笑った。

「では、これで決まりだ!君たちの活躍に期待している。どうか人類に新たな希望をもたらしてくれ」

 彼は立ち上がり、厳かに手を差し出して真一と固く握手を交わした。

「この任務を引き受けてくれて、感謝する」大統領は誠実な声で言った。

「今、人類の世界は混迷の中にある。英雄が必要だ。そして君たちこそ、その適任者なのだ」

 真一は、きりりと表情を引き締めてうなずいた。

「僕たちは、この任務を必ずやり遂げます」

「よし」大統領は満足そうに微笑み、そして厳かに告げた。

「任務の成功を祈っているぞ」

 そう言うと、彼は声を張り上げた。

「アリソン!」

 ドアの外で待機していたアリソンがすぐにドアを開け、微笑みながら室内に入ってきた。

 大統領は頷き、「アリソン、彼らの宿泊と物資の手配を頼む。レサージス・シティ滞在中は、しっかりもてなしてやってくれ」と命じた。

「かしこまりました、大統領閣下」アリソンは恭しく答え、真一たちに視線を向けて穏やかに微笑んだ。

「ご安心ください。必要な物資と支援は、すべて手配いたします」

 マスクは黙って敬礼し、低い声で告げた。

「任務のファイルを端末に送る。解散前に必ず詳細を確認しろ」

 真一は深く息を吸い込み、空気に漂う重々しい責任感を肌で感じ取った。

 この任務が容易ではないことは分かっている。しかし、何があろうと全力を尽くす覚悟だった。

 拳を強く握りしめ、ホログラムに映し出された神秘的なジャングルをじっと見つめる。

 三日後、彼らは未知の地下遺跡への新たな旅に旅立つことになる。

第2部では、前作以上に細かい設定やディテールを詰め込みました。ストーリー、キャラ、舞台、背景など、あらゆる面でボリュームも情報量も大幅アップしています。

ある意味、これは自分がこれまで人生で見てきたあらゆるジャンルのACGアニメ・コミック・ゲームのエッセンスを、ひとつの物語に詰め込んだ集大成とも言えます。

特にヒロインたちのキャラ作りにはかなりこだわりました。それぞれにしっかりとした個性や背景があり、単なる「見た目要員」ではなく、ちゃんと主人公との関係性の中で化学反応が生まれるように意識して描いています。

この物語の広がりや、キャラ同士のドラマを、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!


はい、というわけで今回の章はここまで!次の章は8日後の8月20日に公開予定です。ぜひお楽しみに!

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