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15 Deal or Trap?

 マスクは背筋を伸ばし、両手を背後で組んで直立した。制服には隙なくアイロンがかけられ、その身からは鉄血の威厳が漂っている。鋭い眼差しには、一切の妥協を許さぬ強さが宿っていた。

 大統領が目で合図を送ると、マスクは低く重みのある声で口を開いた。

「大統領がおっしゃった通り、魔王軍の情報提供者であるこの人物は、敵軍内でも極めて高い地位にあり、核心的な機密情報へアクセスできる立場にある。彼は自ら我々に接触し、重要な情報を提供する意思を示した」

「だが、これには相応のリスクが伴う」

 マスクは言葉を続けた。

「我々はまだこの人物の正体を確認できておらず、その動機が信頼に足るものかも判断できない。情報が真実である可能性もあれば、魔王軍の仕掛けた罠である可能性も否定できない。よって、我々は精鋭部隊を指定地点へ派遣し、この人物と接触して情報の信憑性を確認しなければならない」

 リアはわずかに眉をひそめ、不安の色を瞳に浮かべた。

「でも、もしこれが本当に罠だったら……私たちがそこへ行けば、そのまま罠に落ちてしまうのじゃないの?」

 彼女は不安げに呟いた。

 その言葉に応えるように、愛理は眉をひそめ、そっと真一の腕を握った。そして、「霊魂連結」を通じて、密かに自分の想いを真一へと送り届けた。

『私は、マスク総司令官が重要な情報を隠しているとは感じません。彼の言葉はすべて真実だと信じています』

 真一は小さくうなずき、しばし考えた後、口を開いた。

「総司令官、この情報提供者について、現在どの程度の情報を把握していますか?」

 マスクは静かに頷き、テーブルの方へ歩み寄ると、ホログラフィックプロジェクターのスイッチを入れた。光のスクリーンが点灯し、ぼんやりとした映像がゆっくりと浮かび上がる。

「彼のコードネームは『ナイトシャドウ』。しかし、身元も種族も一切不明だ。ただ、これまで数回の接触の中で、彼はいくつか確かな情報を提供しており、その一部はすでに事実として確認されている。そのため、我々はさらなる接触を試みる決断を下したのだ。」

「接触場所はどこですか?」と真一が続ける。

「中央アメリカで新たに発見された地下遺跡だ。」

 マスクはホログラム映像に映し出された密林の一角を指し、厳しい表情で語った。

「異世界の神が降臨する以前、この地域は犯罪組織や武装勢力の温床で、現地政府でさえ手を焼いていた。しかし、生物異変と魔王軍の侵攻後、この一帯は完全な無人地帯と化し、その過程で偶然、この古代遺跡が発見された。」

 彼は言葉を切り、しばし沈黙した後、続けた。

「この遺跡の起源は今なお謎に包まれている。世界の情勢が混迷を極めていることもあり、まだ本格的な調査は行われていない。だが、驚くべきことに『ナイトシャドウ』はその遺跡での接触を指定してきた。つまり、彼が遺跡の何かを知っているか、あるいはこの場所が魔王軍にとって特別な意味を持つということだろう。」

 それを聞いて、サティーナはくすっと笑い、からかうような目を向けた。

「地下遺跡での待ち合わせなんて……相当な警戒心の持ち主ってわけね。」

「だからこそ、慎重に行動しなければならない。」と、マスクは低く厳かな声で言った。

「今回、君たちが主力行動隊となり、遺跡に潜入して『ナイトシャドウ』と接触する。偵察部隊は遠方から支援に回るが、標的を刺激しないよう直接の介入は行わない。」

 室内の空気が一気に張り詰め、全員がしばし沈黙した。

 真一はホログラムに映し出された鬱蒼としたジャングルをじっと見つめ、わずかに眉をひそめる。

 中央アメリカの地下遺跡──複雑な地形と未知の危険が待ち受ける場所。しかも、情報提供者の正体は不明であり、これが巧妙に仕組まれた罠でない保証もない。

「この任務には相応のリスクが伴う。」大統領は腕を組み、椅子にもたれながら意味深に口を開いた。

「そこで、君たちと共に行動するもう一つのチームを派遣することに決定した。」

「もう一つのチーム……もしかして……」愛理は明るい瞳を瞬かせ、警戒を滲ませた声を上げる。

「その通りだ。」大統領は穏やかに頷いた。

「予定通りなら、君たちはすでに顔を合わせているはずだ。そう、ジェイソンのチームだ。レサージス・シティ随一の実力を誇り、魔王軍を相手取るために編成された唯一の特殊戦闘部隊だ。」

「『ナイトシャドウ』という魔王軍の中枢人物と接触する以上、最悪の事態も想定しなければならない。」

ついに第2部『悪魔城推理編』の全体構成が完成しました!

恋はスリル、ショック、サスペンス(笑)!

正直なところ、第2部はある意味「恋愛小説」と言ってもいいかもしれません。主人公が様々な事件やトラブルを通して、いろんな種族の美女たちと出会い、苦難を共に乗り越える中で絆を深めていき、最後には運命の相手と結ばれる――そんな物語になっています。

『悪魔城推理編』というタイトル通り、舞台は魔族たちの領域。ここで数々の謎と事件が繰り広げられる予定です。

ちなみに、第2部の世界観は第1部から派生したものなので、今第1部を読んでいる方には、より深く物語に入り込んでもらえると思います!

どうぞ今後の展開にご期待ください!

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