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01 Dawn of Our Heartbeat

挿絵(By みてみん)

 東の空に太陽が昇り、静かな林に暖かな陽ざしが降り注いでいた。

 サティーナはしっぽを軽く揺らしながら、運動中の真一をいたずらっぽく見つめていた。

「真一く〜ん」

 わざと語尾を伸ばしながら、ゆっくりと真一に歩み寄る。その紫色の髪の毛先は、歩みに合わせて波のように揺れていた。

 真一は体力トレーニングを中断し、汗をぬぐいながらサティーナを見上げた。

「サティーナ? こんな朝早くに、どうしたのだ?」

 サティーナは意味ありげに首をかしげ、くすっと微笑んだ。

「一日、一緒にいてよ。退屈なの〜」

「えっ!? なんで急に……」

 サティーナは真っ赤な瞳をぱちぱちさせ、くすくすと笑う。

「人間の男って、淑女のお願いを断るのが紳士の礼儀だったりするのかしら?」

 ふわりとしっぽを真一の目の前で揺らし、「決めるのは私よ」とでも言いたげだった。

 真一は頭を掻きながら、少し呆れたようにため息をついたが、怒りは感じなかった。

「まあ、今日は特に用事もないしな」

「じゃあ決まりね〜」

 ぱちっとウィンクをして、くるりと振り返り、長いしっぽをひらりと振ると、得意げな笑みを浮かべた。

「準備してくるから、真一は逃げないでよね」

 真一は苦笑いしながらうなずき、林の奥へと消えていくサティーナの姿を見送った。

 アパートの部屋では、サティーナがご機嫌な鼻歌を口ずさみながら、これからのデートの準備に余念がなかった。

 それを見ていた愛理は、いつもと違う様子に気づき、唇を尖らせて小さく呟いた。

「なんかおかしいわ。サティーナ姉があんなに気合い入れておしゃれするなんて……一体何を企んでいるの?」

 隣にいたリアは興味津々といった目で愛理を見つめ、声を潜めて言った。

「今の顔、すっごく楽しそうだったよね。ちょっと覗いてみる?」

 二人はそっと忍び足でサティーナの部屋の前まで行き、半開きのドアの隙間から中をのぞいた。

 部屋の中では、サティーナが華やかな服に着替え、鏡の前で赤い唇を少し上げながら、心の中で呟いていた。

「うん、これなら真一、きっと気に入ってくれるわ〜」

 その様子を見て、愛理の背後から黒いオーラのようなものが立ち上り、口元に腹黒い笑みを浮かべる。

「ふん……やっぱり何か企んでいるわね」

 隣のリアはそれを聞いて、思わず口を手で押さえ、頬をほんのり染めながら囁いた。

「冗談……じゃないの?」

 そして、愛理の瞳に冷たい光が宿り、静かに呟いた。

「リア姉、サティーナ姉が何をしようとしているのか、見届けましょ」

 リアは一瞬ためらったものの、やがてこくりと頷いた。

「うん…一緒に行こう」

 サティーナは軽くメイクを施し、上機嫌でアパートを後にした。

 愛理とリアは気づかれないよう、こっそりとその後をつけていく。

 林の外では、真一が木陰に佇み、頭を掻いていた。サティーナから突然「デートに行こう」と誘われたものの、その真意はよくわからない。ただ、彼女の逆らえない口調に押され、断ることもできずについて来てしまった。

 しばらくすると、コツコツとハイヒールの音が近づき、いつもの独特な語尾が耳に届く。

「真一くん〜お待たせ〜」

 顔を上げた真一は、思わず目を見開いた。

 サティーナはいつもの上品なドレス姿を脱ぎ、爽やかで大胆な服装に身を包んでいた。オフショルダーの白い半袖Tシャツからは繊細な鎖骨が覗き、健康的な小麦色の肌が陽光を浴びて輝いている。ローウエストのデニムショートパンツから伸びる長くすらりとした脚は、ストラップ付きのハイヒールブーツによってさらにセクシーさを増していた。

 紫色の長い巻き髪は高い位置でポニーテールにまとめられ、頭の悪魔の角は鈍く光り、尻尾はゆらゆらと揺れている。その姿は、まるで自信満々にスタイルを誇示しているかのようだった。

 サティーナは真一の腕にしなだれかかり、いたずらっぽく微笑みながら、わざと距離を詰める。柔らかな感触に、真一の頭は一瞬真っ白になった。サティーナはルビー色の瞳を瞬かせ、囁く。

「どう? 今日のあたしの服装、満足?」

「あ、ああ……すごくいいよ」耳まで赤くしながらも、真一はぎこちなく答え、視線を泳がせた。

 その様子を木陰から隠れて見ていた愛理とリアも、しっかりと目にしていた。

「ありえない!なんてバカなの!あんな格好のサティーナ姉に連れて行かれるなんて!しかも、あんな距離近いし!」

 愛理は怒りを抑え、小声で毒づいた。

 リアはためらいがちに目を伏せ、そっと囁いた。

「わ、私たち……本当について行くの?」

「もちろんよ!サティーナ姉が何を企んでいるのか、しっかり見届けるのだから!」

 愛理は悔しそうに歯を噛みしめ、ぎらりと目を光らせた。

 ふたりはそっと後を追う。その場には修羅場の気配がさらに濃く漂いはじめ、サティーナの口元には、すべてを掌握しているかのようないたずらっぽい笑みが浮かんでいた。

第5巻のプロットもついに完成しました!第5巻は、まさに戦いの連続になる予定です。外伝でのバトル描写を経験して、やっぱり戦闘の流れや結末をしっかり組んでおくことの大切さに気づかされました。


実は第2巻で主人公チームと悪の能力者組織が戦うシーンは、正直そこまで細かく設計してなくて、思いつくままに書いてたんです。そのせいか、自分で読み返しても「なんか違和感あるなぁ…でもどこを直せばいいか分からん…」って感じで、結局そのまま放置しちゃいました(苦笑)


他にも修正したい細かい箇所はいっぱいあるんですが、何せ日本語は母語じゃないので、そこもあきらめかけてて…。もし読んでくださってる皆さんで、アドバイスとか指摘してもらえたら、本当にありがたいです!


次はいよいよ第5巻のプロローグの執筆に入る予定です!このプロローグは、この作品の“最後の癒しの時間”になると思います。そして…ある意味、ファン向けのサービスシーンもあるので、きっと楽しんでもらえるはず!


どうぞお楽しみに!

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