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6話


「んっ、んー、おはよう王子様」


あれ?あれれ?

王子様が居ない……。


えー……。

昨日は妄想だったのかしら?


ベッドから下りようとすると


ぺたん


あれ?

力が入らない…?

あら、エリカ穿いてない♡

妄想じゃない♡♡♡


ロビーに連絡しなきゃっ♡



「すみません、スイートルームに宿泊してるのですが出ていった男の人を探しているんです。探していただけませんか?お金ならいくらでも払います」

「なにか取られたのでしょうか?事件ですか?」

「はい、私のハートを盗まれてしまいました。早く見つけないと、私、死んでしまいます……」

「ハート?とは心臓のことでしょうか?臓器のことですか?警察に通報させて頂きましょうか?」

「いえ、私の心を盗んでいった王子様を探してるんですぅ♡」

「はぁ、申し訳ございませんが事件性がないのでしたらお調べすることは出来ません」

「そんなぁ、いくらでもお金なら出しますわ!」

「そういう訳ではございません。お客様のプライバシーにも関わりますので」

「そうですか……」

「何かありましたら、ご連絡ください。」

「はぁーい……」




俯きがちになりながら親友に電話をする


「おはよう〜結!」

「おはよう…って、連絡遅いわよ!!

心配したじゃない!!」

「えへへ、、私ね、王子様に出会えたの……♡」

「は?それは妄想?夢?」

「夢じゃないの♡♡もぅ、本当にカッコイイの♡

口は少し悪いんだけど超イケメン!!出会ってすぐに王子様ってわかったわ!だって目が合って直ぐにビビっときたんだもの♡」

「へぇ〜、で、その王子様とやらは今どこにいるの?」

「えーっと、わからない?」

「…………。もっとちゃんと教えなさい」


昨夜の経緯全て話すと

結は呆れながらため息を吐く


「あんたそれ、変出者よ」

「え?でも、私の周りってアピールする時こんな感じが多かったわ?」

「あんたの周りが異常なだけよ!その男はヤり逃げして二度と会わないと思うわ」

「そんな、、。私の王子様よ!!夜は愛してくれたのに…」

「諦めなさい。初恋は実らないって言うでしょ。いい経験が出来たじゃない」

「私、失恋したの……?」

「あと2日で帰ってくる予定だったけど。どうする?早める?」

「結〜。……。」

「帰ってきたら慰めてあげるわよ」


大号泣し、そのまま電話を切る。

両親には、私の無事を話してくれるらしい。


ー王子様にヤり逃げ……。

お姫様が別に居たのかしら。

諦めない!って言いたいけれど迷惑よね。

運命ではなかったのね。

お店に行けばまた会えるかも……。


淡い期待を込め、お店へ向かうが

王子様は居なかった。

その次の日も向かい、閉店まで待つが現れることは無かった。



ー本当に運命では無かったのね……


ホテルに戻り、預けていたルームキーを受け取ろうと思っていたが、人の少ない時間だったのか従業員は泣き叫ぶ客さんの対応をしていた。

急ぎでもないのでロビーのカフェに入り待つことにした。


「どうしてよ!何とかしなさい!!」

「こちらでも、手配させていただくのですがなにぶん交通全てが遅延されていますので難しくなります。」

「おかしいじゃない!なんで今日なのよ!!」


話を聞いているとサプライズで婚約発表をするつもりだったそうだが、衣装や化粧を担当していた人が体調を壊し、急遽ホテルのメイク担当に頼むが昨日からの大交通事故に巻き込まれ到着が遅れているようだ。来賓の方はほとんど全員が集まり後1時間後に発表するのにドレスもメイクも出来ず泣いている。そこへ婚約者らしき人物があらわれる。


「もぅ、泣くのはよせ。仕方がないだろ。ローゼはそのままでも綺麗だ。」

「嫌よ、化粧は女の武器よ!化粧道具だって何一つ持ってきてないし、化粧道具を買いに行くにもこの大渋滞じゃ1時間かかるわ。そしたらパーティも終わるじゃない!私にスッピンで出ろって言うの?」

「あぁ、そうだ。ローゼはありのままが一番綺麗だよ」

「嘘つかないでよ!せっかくの婚約発表なのに……。」


ローゼさんの気持ちが痛いほど分かり思わず声をかけた。

「あのぉ、いいですか?」

「お客様、どうかされましたか?」

「私ので良ければ〜、化粧道具お貸ししましょうか?」

「「え?」」

「化粧の大切さすごぉーく、わかります!不安な時こそバッチリメイクしたいですよねぇ?」

「は、はい!そうなんです」

「アレルギーはないですかぁ?一応、私の会社のならありますよぉ〜。あ、なんならエリカがメイクしましょーかぁ?」

「エリカ……。あの、間違っていたらすみません。ハッピーアップの西園寺社長ですか?」

「はぁ〜い、そうですよ?」

「まぁ!!!!私ファンです!リップもファンデも全部購入してます」

「えぇ〜、ホントですか♡♡嬉しぃ〜!」

「お客様、化粧直しができるお部屋へご案内させて頂きます。こちらへどうぞ」


3人は従業員の後ろをついて行く

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