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だいにじゅういちわ
ボウサンが知っていれば、さすがに止めたでしょう……しかし、彼は日中、働きどおし。夜は爆睡でした。
チャとチトのことを十分にかまってやるヒマはありませんでした。
それもあってか、ふたりの子は、夜、思うぞんぶんに弾けました。
はしゃぎました。
跳びました。
飛びました。
落ちました。
ええ、落ちてしまったのです……イッちゃん、もとい深い、深い井戸の中に。
ふたりはその時、かくれんぼをしていました。
チトがオニで、チャがかくれる側。
冒険好きなチャは、いいことを考えつきました。
井戸の中に入って、しがみついてればいいじゃない!
そしたら見つかりっこないし、かくれてる間もヒマにならない……だって、井戸の中をいろいろタンケンできるもん!
思ったことはとにかく、やりとげないと気がすまないチャ。
井戸の枠をこえ、中に入っていきます。
すると、チャが想定しなかったことが待ち受けていました。
しがみつこうと思っていた骨組みが、ぬかるんでいたのです。
当然といえば当然です。
イッちゃんは井戸なんですから。
しかし、まだまだ幼いチャ、そこまで頭は回りませんでした。
そして、井戸の中に足をかけたしゅんかんです。
足を足をすべらせ、ひゅーっと落ちてしまいました。




