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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
竜圏の聖域
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竜伎 第七節

「それはトワが私にとって初めて出来た友達だからです」


「ふ~ん。じゃあ今まで君は友人がいなかったのかい?地球という星でも?」


 そうヒメに問われたトーコは少し表情を曇らせ答えます。


「友達はいました・・・ただそれはクラスのグループの輪から外れて孤立しない様にする為の上辺だけの付き合いという関係で本当に友達と呼べる子はいませんでした」


「ふうん、しかしなんでまたそんなに孤立する事を恐れたんだい?」


「それは・・・この髪と目の色のせいですかね」


 そう言ってトーコは両目の碧眼で自身のハニーブロンドの髪を見つめながら話を続けます。


「小さい頃からこの容姿のせいで男子にはからかわれ悪戯されたり、女子からは奇異な目で見られ遠ざけられたりしたので・・・正直それがトラウマになっているんですよ」


「フム、それで孤立しイジメられる事を恐れ、過剰なまでに周りと合わせる様になったという訳だね」


「はい、そしてそんな風に日々を過ごしていたある日突然この星に召喚されて、そしてトワに出会ったんです」


 トーコは少し嬉しそうに笑みをこぼしそう話ます。

そんなトーコの様子に興味をそそられたヒメは彼女にある問いを投げ掛けます。


「君にとって彼女との出会いはそんなに大きな意味があったのかい?」


「そうですね。トワは初対面の私に自分も同じ様な境遇で生まれ育った事をあっけらかんと話してくれたのがとても嬉しかったんです。そして・・・」


「そして?」


「戦争に勝つ為の道具としてこの星に召喚された事に、強制的に戦場に駆り出される事に怖じ気付き悩んでいた私を真正面から受け止め真摯に話を聞いてくれたのもトワだけでしたし、そしてまたトワも私と同じような悩みとか迷いを抱えていた事を私だけに打ち明けくれたのも嬉しかったんです」


「成程ね、でも戦場に対する恐怖を抱いていたのは君だけじゃなく他のクラスメートにもいたんじゃあないかい?そういった子らとは話をしなかったのかい?」


「・・・そうですねそういった子もいたかもしれない。でも先程も言った通り、私は周りと合わせる上辺だけの付き合いしかしてこなかったからそんな深刻な話が出来る相手もいませんでしたし」


 そう言った後、トーコは少し表情を曇らせつつ言葉を続けます。


「それにクラスメートの半数近くの子が異星に召喚された事や、特別な力を与えられた事を喜んでいたんですが、私にはそういったノリがよく解らなくて・・・」


「フム、君と他の地球人達とは容姿や感覚的な点で隔たりがあるのは解った。しかし一つ私には解らない事がある」


「解らない事?」


「ああ、それは彼女トワ・キビマキが君の事を友人だと認識しているかどうかだ」

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