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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
赤竜の誘い
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敗北 第三節

「やれやれ、とんでない指揮官様だ。まさか負傷している部下達まで見捨てて自分だけ逃亡するとは」


 イツハクのなりふり構わぬ行動を眺めながらディディエはそう呟きます。そして続けて・・・


「まあ上手く逃げて帰還した所で、今回の失態の全責任を負わされて更迭か最悪軍事裁判にかけられ処刑。再起の機会など二度と訪れないだろうがな」


 そう冷たく言い放つと今度は何とか起き上がったハチロウと、彼に寄り添うミヤコの方に向き直ります。


「さて、依頼主の計画を邪魔してくれた以上、ただで帰す訳にはいかない。君達にはここで果ててもらおう」


 そう言うとディディエは腰に帯剣していたコルタナに手をかけます。

 その動作を見たミヤコは未だ傷が癒えきっていないハチロウを守る矯めに障壁魔法の術式を展開します。


 それを見ていたディディエの傍らに控えていた青い法衣を纏った女性は、手にした杖状のキュケースを振るい火球魔法の術式を即座に展開し、ミヤコの張った障壁魔法に火球を叩きこみます。しかし・・・


「!!」


 強烈な火球攻撃を受けてなお、ミヤコの障壁魔法がほぼ無傷で健在である事に青い法衣を纏った女性魔導師は驚きます。


「ほうミモザの術式を防ぎ切るか中々できる・・・ならばこれはどうかな?」


 そう言うとディディエは凄まじい速度で障壁に近づくと、コルタナを振るいその場で強力な衝撃波は発生させます。すると・・・


 ピキキキッバリン!という不協和音と共に、ミヤコの張った障壁魔法の術式は粉々に割れて消え去ってしまいました。


「ぜっ、零距離衝撃斬・・・浮雲!?」


 障壁が割れる様を間近で見ていたハチロウは、ディディエの放った剣技に恐怖し、顔色を青白くしながらそう呟きます。


「さてそろそろ仕上げといこうか」


 そうディディエは言うと改めてコルタナをしっかりと構え直し、ハチロウの方に向き直ります。

 それを見たハチロウとミヤコも敵対している相手との力量差にひるみつつも、コルタナとキュケースをそれぞれ構え直しディディエ達を迎撃しようした丁度その時、ディディエ達の後方に突如凄まじいオドを放つ真紅色の転移魔法術式が発生します。


「つ!ミモザはその二人を監視!私は後方を警戒する!」


「了解しました!」


 突発的なアクシデントに素早く対応したディディエは転移の術式から誰が、あるいはナニが出てくるか最大限の警戒を払います。

 そうしているうちに術式の光が強まり、術式の中に二人の女の子、つまりトワとトーコが現れるのでした。

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