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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
赤竜の誘い
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敗北 第一節

 一方その頃、寒風吹き荒ぶギニー山脈の尾根ではリャンシャン傭兵機士団がアリーク純血機士団及びアリーク所属の魔導師達と激しい戦闘を繰り広げていました。


 薄紫の法衣を纏ったアリークの魔導師が杖状のキュケースを振るい、ロブに向かって電撃を飛ばしますが・・・


「おっと危ない」


 バリバリバチン!という派手な音を立て雷撃はロブを襲いますが、すんでの所で見事に、かわされてしまいます。それどころか逆に・・・


「雷魔法とはいい選択だったし、狙いも正確だった。いや正確過ぎて読み易かったが正しいかな」


 そう言うとロブは手に握った剣状のコルタナを凄まじい速度で振り抜き衝撃斬を発生させます。


「!!」


 アリークの魔導師はロブの放った衝撃斬に対処しようとしますが、間に合わずモロに喰らい倒されてしまうのでした。


「これでこっちにいた魔導師達はほぼ全滅か・・・ジーナ、ゴドーそっちはどうだ?」


「こちらもそっちとほぼ同じ状況」


 尾根の東側で戦っていたロブは、西側で戦闘していたジーナ達にそう声を掛けるとそう答えが返ってきました。


「これでアリーク側の魔導師達は壊滅。これでは大規模転移魔法も行えまい」


「なら私達の勝ちって事かしら?」


「アリーク側の目標を挫いたという点ではそうなるな」


「やっぱり最初の奇襲攻撃で、敵の機士達を大半討ち取ったのが功を奏したみたいね。トワが突然いなくなっちゃった時はどうなるかと思ったけど」


「・・・トワが消える瞬間強力なオドを感じた。恐らくドラゴン、赤竜の仕業だろう」


「赤竜の仕業って・・・それでトワは大丈夫なの?」


「解らん何せ相手は超常の存在だからな。ただ・・・」


「ただ?」


「ただトワもこの半年間色々と鍛練を積んでいる。オドに関して言えば半年間で基礎能力は大分熟達しているし、恐らく何とかなるかもしれないな」


「今はトワを信じて待つしかないって事ね」


「そういう事だ。それより今は登山道の方で戦っているハチロウとミヤコの戦況がどうなっているか知りたい所だ」


「どうやら純血機士団の指揮官と戦っているみたいね」


ジーナは尾根より少し下の登山道を見やりながらロブにそう報告します。


「どちらの方が優勢か?」


「ハチロウとミヤコ。また二対一だし、ハチロウと相手の機士の技量は似たり寄ったりだけどミヤコが傍にいる分、ハチロウが冷静に戦えてるって感じかな」


「なら応援の必要はないな」


「そうね、あの程度の相手ならハチロウとミヤコの良い経験値になるでしょう」


 ロブとジーナの二人はそんなやりとりをしつつ、山脈の尾根に立ち未だに潜んでいる敵がいないか警戒を始めます。

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