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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
赤竜の誘い
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赤竜の試練 第七節

「えっ私?」


「私は・・・出来るならトーコと一緒にいたいけど、それだと否が応でも戦いに捲き込み、危険な目にあわせてしまう。このままロッソさんに頼んでハイライン王国に帰してもらう事も出来るかもしれないけどどうする?」


『我はどちらでも一向に構わぬぞ』


 それまで黙って二人のやりとりを聞いていたロッソは、何か面白い物を見るように二人を見つめ妖艶な笑みを浮かべます。


「・・・私はトワについていくわ」


「いいの?」


「うん。どの道ハイライン王国に戻っても、魔導師としてキャバルリーを制御する為だけの兵器として扱われるだけだし、それなら自分の意思で生き戦う道を選ぶわ」


『どうやら話は決まったようだな』


 ロッソはいかにも難儀そうな様子で語ります。


『我を無視して二人で長い間話し込んでおった時は、二人とも綺麗さっぱり消し炭にしてやろうかと思うたが、中々面白い物が見れたのでチャラにしてやろう』


 恩着せがましくそう言うとロッソは早速トワとトーコの足下に巨大な転移魔法の術式を展開します。そして同時にトワの方に右腕をかざします。すると・・・


「うわっ!なんだこれ私のオドの色が真紅に!!」


『試練を乗り越えた特典として、我がオドの一部を貴様に分け与えてやろうありがたく思え』


「あっ、ありがとうございます。しかし・・・私ごときにロッソ様のオドが使いこなせるでしょうか?」


 以前、白竜のオドを暴発させてしまった事のあるトワは今後の心配し恐る恐るそう尋ねます。


『そんな事は知らん。まあ使いこなせねばたかが死ぬだけだがな』


「・・・」


 ロッソのあっさりとした、しかし強烈な一言を聞いたトワは恐れおののき思わず口を閉ざしてしまいます。


『さて下らぬお喋りはここまでだ。今からお主等二人をギニー山脈へと飛ばす。異論は認めぬ』


「「はい」」


『よい返事だ・・・まあこの先また会う機会があるやもしれぬその時まで、せいぜい達者で暮らせ。ではな』


 二人の返事を聞いたロッソは右腕を宙にかざします。


 すると二人の足下に展開していた術式が一瞬、強い真紅の輝きを放った後--


 二人の姿はその場から掻き消えていました。


『さてあの二人・・・特に我が力を一部分け与えたトワ・キビマキがどんな生を全うするのか中々楽しみじゃ』


 二人を空間転移させた後、トワにやられたフレイム・イールの亡骸が沈むマグマの海を眺めつつ笑みを浮かべたロッソはそう意味深な言葉を発するのでした・・・

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