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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
追放立志編
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王都アルナトラ 三節

「貴女をトラブルの原因などと発言して大変申し訳ない。心より謝罪します」


 王都郊外にある機士団の基地その応接室でトワとゴロツキ達、双方から話を聞きトワに全く非がない事を知ったヒューはそう言って深々と頭を下げます。


「やっ止めて下さい!初めて訪れた大きな街に見とれて隙を作った自分も悪いですから」


 故郷を旅立って一週間余り旅の途中で立ち寄った村や町や港、それにここアルナトラにおいても機士の、特にネヴォラス機士団所属の機士団員の悪い噂しか聞かなかったトワはヒューの団員らしからぬ礼儀正しく低姿勢な態度に驚き慌ててそう言いました。


「いえトワさん、私の浅はかさで貴女の名誉を傷つけたのは紛れもない事実。頭を下げることぐらいはさせて下さい」


 そう丁寧に述べるとヒューは話を続けます。


「無論謝罪だけで済ませるつもりはありません。トワさんが何かこの国や王都で困っている事や、やりたい事があるならば私の権限が及ぶ範囲内で便宜を図りますがいかかでしょう?」


 そのヒューの言葉に天啓を得たトワは、ある程度の冷静さを保ちつつもハイリスクな博打に打って出ます。


「そうですか・・・なら私をヒューさんの徒弟にしてもらえないでしょうか?」


(他人の善意につけ込んでこんな提案をするとか・・・私って最低だな)


 心中でそう洩らし、トワは激しい自己嫌悪を抱きつつもヒューにそうお願いをします。


「私は機士になりたくて故郷から出てきました。そしてその旅の途中でこの国では王候貴族や代々機士の家系の方々しか機士になれないと聞きました。しかし例外的にそれ以外の方法で機士になれる術があるとも聞きました」


 トワは一旦言葉を切ってヒューの反応を窺います。


(かなり厳しい顔つき・・・流石に怒っているのかな?)


 ヒューの強ばった表情を見やり調子に乗り過ぎたと一瞬後悔したトワですが、ここまで来たら最後まで言いきろうと覚悟を決めます。


「その術とは機士団に対して多額の寄付を行う事とそして・・・正規の機士団員の徒弟となりそのコネで機士となり機士団に入団するか、そのどちらかと聞きました」


 トワがそう言った後、深く重たい沈黙の時間が二人の間に流れました・・・・・・そして

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― 新着の感想 ―
[良い点] ヒューのような良い人に会えてトワはついてますね。ただ、徒弟にしてもらえるかは難しいのか、ヒューの返答が気になる良い幕の引き方と感じました。 [一言] トワの機士への第一歩となるのか。目が離…
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