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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
赤竜の誘い
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赤竜の試練 第六節

『さてトワ・キビマキ。よくぞフレイム・イールを単独で討ち取り、我が課した試練を見事乗り越えた。褒めてしんぜよう』


 ロッソは大仰な口振りでそう語ると更に話を続けます。


『約束通りお主等二人を今、ギニー山脈において戦っている仲間の所にまで帰してやろう』


「トワちょっといい?さっきもそのロッソさんが言ってたけど仲間って?」


「説明すると長くなるんだけど・・・今私はルガーブル大陸、テューロス地方に本拠地を置くリャンシャン傭兵機士団って所に所属しているんだ」


「えっ、ちょっと待って・・・そのルガーブル大陸って確か私達のいたハイライン王国のあるプーリタイ島から海を挟んで南にあるドラッヘ最大の大陸よね。どうしてそんな所にいるの?」


「ああそれは半年前、あの一騎討ちの直後致命傷を負った後に何故かテューロス地方に飛ばされていたの。ロブ団長、今世話になっている人の話じゃ私の中にあるドラゴンのオドっていうのが暴発したせいらしいけど」


「半年!あの一騎討ちから外ではもう半年も経っていたの!?」


「まあトーコが驚くのも無理ないか、私だって最初はかなりパニックになったもん。運良く団長達に拾われていなかったら今頃どうなっていた事やら」


 トワはそうとぼけた調子で自身の身の上話をして、驚きパニックになっているトーコを落ち着かせようとします。


「はあしかし傭兵とは・・・私がロッソさん所にいた間にトワも色々あったんだね」


「そうだね~でもまあ私の場合、例の一騎討ちに敗れた時点で国外追放が決まっていたから、遅かれ早かれ今みたいな傭兵機士になってた思う」


「はあ、しかし半年かあ・・・ハイライン王国に残っているクラスの皆はどうしているだろう?」


「それは・・・ちょっと言いにくいんだけど、一騎討ちが終わった際さっき言った私がドラゴンのオドを暴発させたせいでトーコの同級生のうち何人は私同様、ドラッヘ各地に飛ばされたみたいなの」


「えっ!本当!?皆大丈夫かな・・・」


「ああそれなら私の所属している傭兵機士団や機士や魔導師達の互助組織である組合のネットワークで、トーコの事を探すついでに調べたんだけれど、何人かどこかの国家や組織に保護されてるみたいだよ」


「それなら良かった」


 トーコはトワの話を聞き、そう安堵の声を洩らします。そして続けて・・・


「トワ自体はそのリャンシャン傭兵機士団のロブさんって方にお世話になっているんだよね。しかしロブという名前どこかで聞き覚えが・・・」


「ロブさんはあの一騎討ちの際にヒューさんやトワと一緒に見学していた人だよ覚えてない?」


「ああ、あのロブさん!髪の毛を短く刈り込んで、ゴーグルをつけた筋肉モリモリのマッチョマンの人!確か大陸の方で傭兵やっているとは聞いたけど本当だったんだ」


 そう納得します。そして・・・


「そう言えばさっきロッソさんがギニー山脈という所で戦っている仲間の所に帰すって言っていたけれどあれはどういう事?」


「ああ、実は私達リャンシャン傭兵機士団はギニー山脈を越えようとするある敵対勢力を捕捉して叩くという依頼を受けてね・・・その行軍途中に私だけこの場所に呼び出されみたい」


「じゃあ他の人達は?」


「ロッソさんの口振りからするともう敵に追いついて戦闘に入ってるみたいだね」


「そうなんだ・・・大変な事になってるんだね」


「ええ、だから私は機士団の、皆の所に帰らなきゃならないけど・・・トーコはどうする?」

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