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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
赤竜の誘い
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赤竜の試練 第五節

「トワ!」


 そう叫んだトーコはロッソの下を離れ、無意識の内にその身に纏うオドを強めマグマの海を渡りトワの傍まで駆け寄ります。


「痛つっ・・・やあトーコ久しぶり元気にしてた?」


 トワはフレイム・イールの一撃により大ケガを負わされた右肩を庇いつつ、のほほんとトーコに声を掛けます。


「全く相変わらず無茶ばかりして・・・治癒魔法を掛けるから傷口を見せて」


「あははは面目ない。じゃあ早速お願いするね」


 そう言うとトワはフレイム・イールに噛みつかれた右肩をトーコに見せます。

 それを見たトーコは傷口に手をかざすと治癒魔法の術式を展開します。すると・・・トーコの術式から洩れる淡い乳白色の光に包まれた傷口は瞬く間に治ってゆき、トワのケガは約三十秒程で完治してしまうのでした。


「あれだけの傷を一分と経たず治しきるなんて、やるじゃんトーコ」


「こっちの世界に来て最初に習った初歩も初歩の魔法だけどそんなに凄かった?」


「うんまあ一般の魔導師でも、あれだけの傷をあの術式で治そうと思ったら一~二分は掛かるだろうからねえ~やっぱ地球人は凄いや」


「う~ん喜んでいいのか、悩めばいいのかよく解らないけど・・・とにかく今はトワのケガが癒えて本当に良かったよ」


 そう言ってトーコが安堵したその時--


 パンパンパン--


 と誰かがトワとトーコに向かい拍手を送りました。

 二人が拍手を送った相手を確かめようと音がした方を向くと、そこにはいつの間にか姿を消した赤竜の代わりに褐色の肌に腰の辺りまで伸びた真紅の髪と、その髪と同じ色をした豪奢なドレスを纏った黄玉色の瞳を持つ絶世の美女が立っていました。


「ロッソさん・・・」


「えっ!この美人さんが赤竜のロッソ・・・さん!?」


 トーコの呟きにトワは驚きの声を上げます。が・・・


(あっ、でも私も故郷の遺跡で白竜らしき存在を初めて見た時、肌、髪、瞳の色は違うけど、今の様なこの世の物とは思えない程、恐ろしく美しい女性の姿で現れたんだっけか)


 トワはそう思い出し、今目の前にいる美女が赤竜だと言われても何ら違和感を覚えないのでした。

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