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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
赤竜の誘い
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赤竜の試練 第三節

(くっ!なんでこんな時に赤竜に出会ってしまったんだ!?まさか私達がギニー山脈を縦走し、争いを起こそうとしている事に気が付きそれを止める為にわざわざ大掛かりな転移魔法を放ったのか?)


『そんな些末事はどうでもよい。我はトワ・キビマキ貴様一人に用があったから呼び出したに過ぎない』


(つ!何で赤竜が私の名前を知っているんだ?)


『眠りを妨げられる事を最も嫌うあのビアンコ・・・貴様からは白竜とよばれている奴のねぐらに入って安眠妨害をした挙句、一撃喰らわされて未だに生きてピンピンしている人間に少なくとも我は興味を覚えた。それに・・・』


 ロッソはそう厳かな声でトワの頭の中に直接語り掛けると、畳んでいた両翼を広げてそこに隠していた美しいハニーブロンドの髪をした少女の姿をトワに見せつけます。


「トーコ!?」


「トワ!?」


(成程、ドラゴンが匿っていたなら、どこの情報網にも引っ掛からない訳だ)


 ロッソの話を聞きつつも、この半年間ずっと探していたトーコの元気な姿を見たトワは安堵しながらも、そう冷静に思考を巡らせます。


『さて感動の再開を果たした所で本題に入らせてもらおう』


「本題?」


『トワ・キビマキ、貴様が本当に我等のオドをその身に宿し扱う資格があるか試させもらおう・・・もし我が課す試練を乗り越える事が出来たなら、二人共無事に貴様の仲間達の所に帰してやろう』


「・・・もし乗り越える事が出来なかったら?」


『その時は二人共死ぬだけの事だ』


 そうロッソは一方的に宣言すると、顎を開き聞く者を悉く萎縮させるような凄まじい咆哮を上げます。すると・・・


 バサァン!という派手な音を立て、マグマの中からトワの身長のゆうに三倍はあろうかという長大な体躯と一体化した巨大な背鰭と尾鰭に、巨大な口と鋭い牙を持つ黒と赤の斑模様の体皮を持つ魔物がトワに襲い掛かります!


「くっ!この特徴的な姿は確か・・・フレイム・イールだったか!?」


 魔物の攻撃をすんでの所で回避したトワはヒューの座学で習った魔物の生態等々の知識を思い出してすはそう唸ります。


『フレイム・イールはこの火山にいる魔物で今一番強い。こいつを、単独で見事討ち取る事が出来たなら試練を乗り越えたと認めてやろう』


「クソッ!流石はドラゴン様。こちらの都合なんぞお構い無しって事か!」

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