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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
赤竜の誘い
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赤竜の試練 第二節

「真っ暗で何も見えない・・・しかもかなり蒸し暑い。一体どこなんだろうここは?」


 謎の術式、恐らくは転移の魔法術式により先程までいたギニー山脈とは明らかに違う環境に転移させられたトワは一人そう呟きます。


「訳の解らない事になっているけど、皆と再び合流する為にはまず現状の把握が必要だね」


 そう言うと背負ったリュック・サックの側面に吊るしておいた携行電灯型魔導器を取り外し手に持つと、早速電源を入れて周囲を光で照らします。

 するとそこは天井も壁も床も全て固い岩場で、その岩場を恐らくマグマらしき溶融物が血管を流れる血液の様に巡っている事が確認出来ました。


「ここって・・・もしかしなくてもどこかの洞窟よね」


 マグマの流れをうっかり踏みつけないようにトワは慎重に前後左右を確かめます。すると・・・


「前方の奥の方から淡い光が洩れ出している・・・出口かそれとも洞窟内のセーフポイントか、どちらにせよ行ってみる価値はありそうね」


 トワはそう言うと早速光の洩れ出している所に向かいます。

そして光を放つ洞穴を抜けた先には・・・想像を絶する光景が広がっていました。


「なんて巨大な空間!?ここって本当に洞窟の中なの?」


 洞穴の向こうに広がる空間・・・半径およそ1キロメートルの広大な空間と、それを囲む様に高さ数百メートルの岩壁が聳え立ち、そして洞穴を抜けた後数メートルの地面以外は全てマグマの海という異様な空間にトワは圧倒されてしまいます。


(しかしこれだけのマグマが流れているって事はここはどこかの活火山の近くにある洞窟って事になるのかな?)


『そうここは火山、ギニー火山の洞窟の最奥にある我等が領土』


 トワが一人考えに耽っていると突然頭の中にとても恐ろしく、かつ華々しい声音が響きました。


「ぐっ!この声の感じ・・・まさかっ!」


 そうトワは故郷の遺跡で体感した恐怖を思い出し、背中に汗をかきながら前方のマグマの海に突如出現した巨大な影をしっかりと見極めます。


 全長九十メートル程の巨躯--


 長大な首に強大な四肢--


 背中に生えた、躯と同じかそれをも凌ぐ巨大さを誇る翼--


 全身を覆う真紅の竜鱗に黄玉色の瞳という雄々しくも美しい姿--


 この世の全てを圧倒し、平伏させる絶対的な存在がそこに鎮座していました。


「せっ、赤・・・竜・・・」


『そう我こそが貴様等の言う所の赤竜、ロッソである』


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