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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
赤竜の誘い
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整備班 第ニ節

「・・・マジすっか?」


 トワはそう呟くと余りの驚きで暫く呆然としていましたが・・・時が経つにつれ冷静になり、ロビンに問いを投げ掛けます。


「しかしなんでそんな極東の島国が、ルガーブル大陸のテューロス地方に血税を投じてまで傭兵機士団をわざわざ創設したんですかね?」


「オイラは技術屋だから政治的な事は解らねぇ。だが機械的な経緯なら把握している」


「それはどんな経緯で?」


「そいつはファウタンガが大小の島々で構成され、四方を海に囲まれているという環境が関係しているんだ」


「海に囲まれた場所ですか・・・なら移動手段は水上を往来する船とかホバー機構を装備したカミオンとかになるのかな?」


「そんな所だ。あとは潜水艇って海中・水中を進む特殊なカミオンも存在するんだぜ」


「へ~そんな物まであるんですね」


「そう人や荷物の移動や輸送や外海へのアクセス、外国との貿易に海上交通路の確保等々・・・ファウタンガ諸島連合は海上・海中での活動に重きを置いている。それはつまり・・・」


「・・・つまり?」


「つまり国家の方針によりファウタンガ諸島連合では軍隊の正面装備や、正規国家機士団の主力キャバルリーも水上及び水中戦闘を主眼としたものになってるのさ」


「成程・・・しかしなぜその海上・海中での装備の充実に力を注ぐ海洋国家であるファウタンガが、なんでウチみたいな大陸での陸上の戦闘がメインの傭兵機士団を創ったですかね?」


「至極簡単な理由さ。おまえさんでも少し考えりゃあ解るぜ」


「・・・まさか単に陸上戦闘に特化したキャバルリーとその運用データが欲しかっただけとか?」


「大正解だ。機体の扱いはまだまだ三流だが、頭の方はそこそこ回るじゃねぇか」


「でへへへ、班長、私の事をそんなに褒めても何も出ないですよ」


「いや全然褒めてねーからな。むしろこれだけヒントがありゃ誰だって解る話だしな」


 調子にのったトワをピシャリと叱りつけてロビンは話を続けます。


「ファウタンガは確かに四方を海に囲まれた海洋国家だから防衛戦や海上交通路の確保の為なら、主力キャバルリーの仕様は今のままでいいんだろう。しかし・・・」


「しかし何です?」


「ここ10年の間、同盟国との安全保障関連や、他国への派兵に他国・他勢力との武力衝突や紛争や小競り合いなんかも増えているから、海上・海中だけでなく陸での戦闘にも適応したキャバルリーや機士の確保も必須になってるって話さ」


「成程それで陸戦向けのキャバルリーの開発と運用を行う組織が必要だったと・・・しかしそれなら本国のファウタンガの正規国家機士団のテスト部隊なり教導部隊が行えばいいと思うんすけど・・・」


「他国や自国内の耳目がある以上、正規機士団では身動きが取りづらいモンさ。それに引き換え割と自由な立場の傭兵なら幾らでも戦う場所や時間に困らんし、機体の実戦での運用データも取り放題だしな」



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