表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
赤竜の誘い
55/147

初陣 第一節

 竜歴1521年--


「熱っちい・・・やっぱルガーブル大陸はプーリタイ島とは全然違うな」


 照りつける太陽の下、一面の荒野を眺めながら偽装用のポンチョに身を包み額に汗するトワがそう故郷やかつて所属していた島国の国家との気候の違いに愚痴っていると--


 ビー!ビー!


 装着しているのヘッドギア型の魔導器からけたたましい警告音が響きます。


「これは・・・国境線に敷設していた使い捨てのセンサー型魔導器が反応したって事よね。つまり・・・」


(アリークの軍隊が国境を越えて来たって事だ!私が当番の時に限ってコレとは何てついてない!)


 内心でそう悪態をつきつつも、トワは手早く後方のレイラン国軍の指揮所に緊急連絡を入れます。


「ロブ団長!トワです!国境線のセンサー群に感あり、アリーク軍の越境です!」


「了解。こちらでも確認したが、越境してきた部隊の詳細が解らん」


「すぐに確認します」


 トワは今現在所属しているのリャンシャン竜圏傭兵機士団の団長であるロブにそう報告すると、直ぐ様それまで隠れていた岩陰から移動し、見晴らしの良い高い岩場にオドを高めて素早く登るとヘッドギア型魔導器の望遠モードを最大にして目視による観測を行います。


(土煙を上げながら進んで来るグループが三つ、一グループに約三機のキャバルリーという編成か・・・)


 目視での確認を終えたトワは即座にロブに連絡します。


「敵は三機編成のキャバルリー部隊が三つ。等間隔に並走しつつ国境より真っ直ぐ南下して来てます」


「・・・中隊規模の編成か、なら敵は恐らくアリーク純血機士団のはねっ返りといった所かな」


「それでどうします?」


「貴様はそこで引き続き乱破として情報収集及び報告に務めよ。我々はこれからレイラン国土防衛機士隊と共に準備が完了しだい出撃する」


「了解しました」


「・・・貴様がウチに来て半年、初めての本格的な実戦になるが気負う必要は無い。ウチやヒューの所で教え込まれた事をしっかり活かせ。そうすればすくなくとも死は遠ざけられる」


「わ、解りました」


 そうトワはロブに返答すると、再びこちらに迫りつつある敵部隊の姿を岩陰に隠れて監視しながらも一人、物思いに耽ります。


(あれから半年も経つのか・・・)


 そう心中で呟き、半年前に起こった事をゆっくりと思い出します--

 この章から物語の舞台がプーリタイ島から、ドラッヘの中心である『ルガーブル大陸』に移り、トワも新たな仲間を得てお話のスケールも大きくなっていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ