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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
追放立志編
50/147

始まりの終わり 十二節

(距離を取られたままではキャバルリー戦の二の舞になる・・・多少強引でも近付かなきゃ!)


 そう心中で覚悟を決め、相手の懐に飛び込むべくオドを高めて一般人では目にも止まらぬスピードで走り始めるトワでしたが・・・


 ドッドッドッ!!


 ヒロキがオドの力を巧みに操り、超高速で腕を振るい放った衝撃波が複数飛んできた為に、トワは走るのを止めて回避に専念します。


「予想はしてたけどやはり衝撃弾を撃ち込んで来たかっ!」


 ヒロキの放った技を回避しきれず装甲服の一部が損傷したトワはそう悪態をつきつつもヒロキの高い技術力に驚愕します。


 そして次にヒロキがどんな攻撃を繰り出して来るのか見極める為に彼の方をじっくり観察すると、コルタナを帯剣したまま抜刀していない事を確認します。


(格下相手ならわざわざ剣を抜く必要も無いって事か)


 トワはヒロキの余裕たっぷりな態度に怒りを覚えます。


(しかし、その余裕につけ入る隙があるかも知れない・・・なら最後まで諦めず喰らいついてやる)


 トワはそう冷静に分析しつつ覚悟を決めます。


 しかしそうしているうちにもヒロキは次々と攻撃を繰り出してトワを追い詰めます。


 ブィン!


 ヒロキは両腕の手刀を、交互に超高速で振り抜く事により二連撃の衝撃斬を繰り出します。


 ヒロキの腕の動きをつぶさに観察し、冷や汗をかきながら回避行動に専念するトワでしたが、二連撃の内一撃が左腕を掠め、装甲服が破られ切り傷を負ってしまいます。


「がっ!」


 切られた箇所から強烈な熱さと痛みを感じつつ、トワはヒロキの強さに恐れを抱きます。


(掠めただけでこの威力・・・もし相手がコルタナを握っていたら、今頃左腕は切り飛ばされていただろうな・・・)


 そう思いつつも、トワは破れた服の切れ端を千切って傷を負った箇所にそれを巻き付け応急処置を行い、戦闘を継続します。


「はあっ!!」


 そう気合いの入った掛け声と共に、トワは一見何の考えも無くヒロキの方に突進してゆきます。


 その様子を見たヒロキは少し呆れた、残念な様子で今度は衝撃弾及び斬撃を交互に繰り出します。


 それらの攻撃を真っ直ぐに進みつつもろに受ける形となったトワの装甲服は見るも無残にあちこち破れ、トワ自身も身体中に傷を負い血塗れになりますが・・・それでも進む事を止めず、密かに反撃の機会を窺っていました。

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