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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
追放立志編
48/147

始まりの終わり 十節

「・・・」


「・・・」


「ど~したの二人共黙り込んじゃって?」


 キャバルリー輸送用の大型カミオンに無残にも破壊されたシュクルと共に戻っきたトワは、一緒に帰ってきたトーコや観覧ステージからわざわざこちらに駆けつけて来たヒューが重たい雰囲気で沈黙している状況に耐えかねて、そう努めてあっけらかんと話します。


「確かにキャバルリー同士の一騎討ちには見事に負けたし、軽く打ち身を負ったけどこの通りピンピンしているから、そんなに深刻になる必要はないよ」


「・・・ごめん。私が神宮寺君の能力を知っていればっ!」


「う~ん例えトーコが相手の能力を知ってても地力に雲泥の差があったからどの道負けていたよ」


「トワ・・・」


「それに謝らなきゃならないのは私の方だよ。確実に負けると解っていた戦いに共に出てもらった上にケガまでさせちゃったのだから・・・」


 トワはそう言いながらトーコの足や腕のいくつかの箇所に貼られた絆創膏や湿布を眺めながら、申し訳なさそうにそう答えます。


「でもまあ安心して次の戦いは生身での一対一の戦い。トーコが傷つく事は無いから」


「つ!トワのバカ!友達が戦いで傷つく姿を見せられたら、私だって傷つくし心が苦しくなるよ・・・」


「ご、ごめん」


 普段の大人しい雰囲気から一変し激しい剣幕で怒るトーコに気圧されたトワは咄嗟に謝罪します。しかし・・・


「どれだけ傷つく事になるにしろ私はジングウジ・ヒロキと戦うよ。というよりどの道避けては通れない戦いだからね」


 トワがトーコにそう強く決意を表明すると、今までひたすら沈黙を貫いてきたヒューがおもむろに口を開きトワに尋ねます。


「どうしてもジングウジ君と戦うのですか?」


「そうですね。それがあのハイムという魔導師と取り交わした契約である以上逃げる訳にもいかないですしね」


「・・・解りました。この期に及んでもはや止めるつもりはありません。ただ・・・」


 ヒューはトワの覚悟を見てそう言うと、一度言葉を切り彼女に重要な事を伝えます。


「対戦相手のジングウジ君は魔導機士。つまり剣技や体術の他に魔法も使用して来るでしょう」


「さっきの戦いで見せた突然剣の刀身が消えるような魔法・・・確か時空間魔法の一種でしたっけ?」


「それだけならよいのですが・・・恐らく他の魔法も使って来るかもしれません。その点はしっかり留意しておいて下さい」


「了解しました。ではそろそろ闘技場に向かいますね」


 そう二人に言ってトワは件の観覧ステージに設けられた闘技場に向かって歩きだしました。


 そしてそのトワのあとを追うようにヒューとトーコも観覧ステージに向かうのでした。

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