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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
追放立志編
41/147

始まりの終わり 三節

「それで話を戻すけど、これから私達が戦う対戦相手ってどんな人達なの?」


「まず機士の方だけど名字は神宮寺君、下の名前は弘樹」


「ジングウジ・ヒロキね。でどんな感じの人なの?」


「一言で言うなら人気者でクラスのリーダーって感じかな」


「ほうほう」


「人当たりが良くて社交的。常に柔和な雰囲気で誰とでも仲良くなれて、非常時にはクラスの皆を纏めるリーダーシップも持つ男子だね」


「何だか話を聞いてると随分慕われてる感じだね」


「うん。事実男女問わずクラスの皆から慕われているし、彼の事を嫌ってる子はまずいないんじゃないかな」


「ふうん、中々の好青年だね。それで身体能力とか武術の腕前とかはどうなの?」


「運動神経はずば抜けて高くてスポーツ万能、どんな競技でも一度見ただけでコツを掴んで、素晴らしいパフォーマンスを発揮してるよ」


「ほ、ほう」


「武術の方は・・・確か幼い頃から身内の人が開いてる古流武術?っていう流派の道場に通ってて、かなりの腕前らしいよ。あとクラスの男子達が言うにはケンカも滅法強いって話だよ」


「へっ、へえ~それはまた凄いや・・・」


 トーコから聞かされた対戦相手の人としてのハイスペック振りに、図太い神経を持つトワも流石にたじろきます。


(生まれつきの能力差がこれ程あるのに、更にオドの保有量とそれを扱う技術も天地程の差があるんだよねぇ、もう戦いたくなくなって来た。だけど・・・)


 そう弱腰になるトワでしたが、最早引くに引けない状況に自ら足を突っ込んだ事を再認識し気を引き締めると、今度はその対戦相手であるジングウジ・ヒロキとコンビを組む魔導師の事をトーコに尋ねます。


「機士の方は概ね解った。それで機体の制御を担当してる魔導師はどんな人なの?」


「えっと名字は藤沢君。下の名前は確か・・・知弥だったかな?」


「フジサワ・トモヤね。でこの人はどんな感じの人?」


「えっとそれはその・・・う~ん」


 トワに尋ねられたトーコは答えに窮し、言葉を詰まらせます。


「もしかして・・・その人の事をあんまり知らないの?」


「・・・うん。正直に言うとそう、クラスの中でも所属してるグループも違うし・・・ちょっと不気味な所があるからあんまり近付かないようにしてたし」


「不気味とは穏やかな物言いじゃないね・・・そんなに危ない感じの人なの?」


「人に危害を加える感じの子ではないよ・・・ただ常に表情が暗くて、時々薄ら笑いを浮かべてるのが私は少し苦手で」


「う~んなんとなく解る」


「あと、普段無口な方だけど誰かが彼の興味・関心のある話を振られたら、熱に浮かされたように早口で捲し立てる所があるんだけど・・・それも苦手で」


「あ~熱心なのは理解出来るけど、人との距離感を上手く取れないタイプの子だ」


「まあそんな感じかなあとは・・・絵というかイラストを描くのが上手だったかな」


「へぇ~」


「前に偶然、藤沢君が落としたイラスト。ロボットの絵が描かれてたんだけど、物凄い繊細なタッチでよく書き込まれていたのを覚えてるよ」


「芸術家肌の男の子なんだ・・・それなら色々気難しいというかコミュニケーション能力に難があっても仕方ないかもね」


「そうかもしれないね」


 そうしてトワとトーコが本日の対戦相手に関する話をしていると、二人が搭乗するキャバルリー、シュクルは一騎討ちの現場でアルナトラ郊外の特別演習場である荒地に到着した為に二人は機体を止め、まだ見ぬ対戦相手の機体が現れるのをじっと待ちます。

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