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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
追放立志編
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始まりの終わり 二節

 トーコはそこで一旦、言葉を切り眉間に手を当て何かを考えながら会話を再開します。


「宮廷魔導師筆頭のマキロフ様から何故か情報交換を禁止されたの。何でも機密漏洩を防ぐという理由でね」


「成程そういう理由なら仕方ない」


「そう・・・だよね。そう考えたら何も不自然な事はないか」


「うん?トーコはそのマキロフって人の考えに疑問を感じてるの?」


 トーコの煮え切らない言動を察したトワはそう問い掛けます。


「正直に言えばそうかな」


「何でそう感じるの?」


「それは・・・まずこの星、ドラッヘにおける現在の戦争はキャバルリー同士の戦闘の勝敗で大勢が決まるじゃない?」


「うん」


「そしてキャバルリー同士の戦いは集団戦闘が基本になる」


「それは私も習った。だからこそキャバルリー同士の戦闘では味方との連携を重視し、乱戦時においても味方同士で互いにカバーできるように・・・あっそういう事か」


「そう、そういった敵・味方が入り乱れる状況や大規模な戦闘において味方同士、互いの能力や力量をきちんと把握していないと連携が取れず一気に軍勢が崩れる事もあるとバンベリー先生から教わった。なのに・・・」


「マキロフって人はあえて箝口令まで敷いて、トーコ達がお互いどんな力を持っているのかを知る事を禁じた・・・私みたいな部外者に話す事を禁じるだけじゃなく、仲間内でも話してはいけないってのは確かに妙な話だねぇ~」


 トーコの話を聞いたトワも宮廷魔導師筆頭マキロフの言動に疑問を覚えますが・・・いつも通りのほほんとした調子に戻りトーコに話します。


「まあそのマキロフって人も何かしら考えがあってそう言ってるんだとおもうし、そんなに気に掛ける必要は無いんじゃない?」


「そうかな?」


「そうそう今は解らなくても、その内情報交換を禁じた理由を知る時も来るって」


「それもそうだね。今その事に気を揉んでも仕方ないか」


「まあ、一応頭の片隅に置いておいた方が良いと思うけど、今ここでいくら頭を捻っても答えなんか出ないだろうしさ」


「そう・・・だね。とりあえずこの事は胸の内にしまっておくよ」


 楽観的なトワに比べ、冷静かつ慎重な性格のトーコはそう言ってマキロフの不可解な言動を一旦胸にしまい、現状に集中します。

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