表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
追放立志編
37/147

動き出す歯車 十三節

「・・・」


 ヒューの話を聞いたトワは、改めて自身が故郷で遭遇したドラゴンの一頭、白竜と思われる存在の事を思い出し顔を真っ青にして声を失います。 


 そんなトワの様子を知ってか知らずかヒューはキャバルリーについてのおさらいを続けていきます。


「少し話が脱線しましたが・・・改めて復習を続けます。ではトワさん、キャバルリーの動力及びそれを生み出す動力源は機体のどこにあるでしょう?」


「機体を動かしている動力はオドで動力源は機体全体。特に機体の骨格・フレームが主な動力源でありまた機体全体にオドを巡らせる役目を担っている・・・でしたっけ?」


「正解です。キャバルリーにとってフレームこそ最も重要なパーツであり、このフレーム性能の良し悪しで戦闘の帰趨が決まる事はよくあります」


 ヒューは格納庫の整備台に固定されている機体を見やりながらそう答えます。


 そんなヒューにつられて同じく機体を眺めていたトーコはある疑問をボソリと呟きます。


「しかし見れば見る程不思議な造形。特に関節の辺り」


「そーなの?私はこの世界の生まれだから全くそんな風には思わないんだけ・・・」


 そんな二人のやりとりを聞いていたヒューはトーコに幾つか質問していきます。


「ミナカミさんにとってキャバルリーのどの辺りが不思議な造りなのですか?」


「えっと、さっきもトワに言ったように関節の部分ですかね」


 トーコはそう言ってキャバルリーの足首や装甲カバーで覆われている脛椎や胸椎、腰部等の機体各関節部に当たる部品に接続された大小の球体パーツを指差します。


「フム、多重構造式球体関節というのは異星の人々から見れば珍しいモノなのですね」


「外見だけじゃなく、状況・環境により柔硬自在に変化し、人体と同等もしくはそれ以上の可動域を持っている事は・・・私から見たら不思議なんですよね」


「トーコの生まれた星、地球にはそういう技術がないの?」


「私が知らないだけで存在するかもしれないけど、私はそういう機械とかロボットだとかに詳しくないし、興味も無かったから・・・」


「なら不思議に思えても仕方ないか~」


「まあその多重構造式球体関節もフレームの種類や機体によって大きさや関節の数も違ってくるので、ミナカミさんにとってますます不思議な機体が増えると思いますね」


「えっ!そうなんですか!?」


「ええ、だいたい各機体に使用されるフレームとその性質によって--」


 ビビーッ!!


 ヒューがトーコに関節部について詳しく説明しようとした矢先。

格納庫内にキャバルリーの出撃を促すけたたましいサイレンが鳴り響き、同時にカミオンの詰所で待機していた整備員達が一斉に格納庫に入って機体に取り付いてテキパキと作業を開始し、出撃準備に取りかかります。


「・・・どうやらキャバルリーについておさらい出来るのはここまでのようです。トワさんにミナカミさん。出撃準備に入って下さい」


「了解しました」


「はい先生」


二人は各々そう答えるとそれぞれ準備を開始します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ