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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
追放立志編
33/147

動き出す歯車 九節

「始まりは我がハイライン王国の国王、トスティ・ベイリァル陛下が長年我が国と対立・紛争を繰り返して来たゲインブルとの戦いに決着をつけプーリタイ島を統一し島全土に太平をもたらすと決意なされた事です」


「最近はゲインブル側に戦線を圧迫されてるらしいのに、そんな事可能なんですか?」


「現在の国力と軍事力では到底不可能でしょう・・・故に陛下は腹心の部下で宮廷魔導師筆頭であるマキロフ殿と相談し、王城の地下深くにある古代エルフ族の遺跡の力を利用し召喚の儀を執り行い、地球という星から高いオドを保有しそれを取り扱う術を何故か誰に教えられた訳でもないのにもかかわらず会得している二十八人の人間を喚び寄せる事に成功したんですよ」


(成程、これだけ豪華な即戦力を用意出来たなら私みたいな第一階梯をやっと習得したばかりの半端者をわざわざ見習いにまで上げる必要も無くなった訳だ)


 ヒューの話を聞いて自身の見習い機士資格剥奪の真相を何となく察したトワは多少の不満を覚えつつも納得します。

そんな彼女の様子を眺め、ほんの少し表情を曇らせながらヒューは更に話を続けます。


「しかしこの陛下と筆頭殿の独断専行に国政を担ってきた王候貴族。特に軍事力の要であるネヴォラス機士団の団員達は強い不満を覚え、地球人達に嫌がらせを兼ねた私闘を仕掛けたのですが・・・」


「どうなったんです?」


「二~三人の地球人に対して十数人の若手機士団員が囲って、彼らを私刑にしようとしたらしいのですが・・・団員は全員もれなく返り討ちに遭い重傷を負って、今も病院のベッドの上です」


「自業自得とはいえ悲惨な話ですね」


「常日頃から実戦において身分の貴賤など無意味。より実力がありかつ運のある者しか生き抜く事は出来ないと口を酸っぱくして若手の団員達には教え込んでいたのですが・・・あまり効果は無かったようです」


 下級貴族の出身ながら、確かな実力と徳の高さと優れた人柄から機士団の教導部隊の教官を務め若手機士の育成と教育を担っているヒューは眉間に手を当てながらそう洩らし話を続けます。


「この一件を耳にし貴族達と自分達との対立という事態を重く見た陛下と筆頭殿は、王国の行政のトップを担っておられる宰相閣下ジェームズ・キャンベル・アーガイル公爵と相談しある妙案を思いつかれたのです」


「それがこの大々的な一騎討ちという事ですか?」


「そうです。陛下は御自ら喚び寄せた地球人達の王国内における立場の確立と、先の私闘で示した圧倒的な武威を国内外に大きく喧伝する事により、王国ひいては王室の権威と求心力を高めようと考えられこの一騎討ちを企画なされたのです」


「今の話によるとその地球人の力量を示す為にネヴォラス機士団の団員が地球人と一騎討ちを行う流れになる筈なのに・・・なんで私が団員と一騎討ちする破目になるんですか?」


「非常に言いづらいのですが・・・ハイム卿が貴女に持ち掛けた話が真っ赤な嘘であり罠なのですよ」


「・・・って事は私が今から一騎討ちで戦う相手は地球人!?」


「そう・・・なりますね」

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